クリミアの黄金財宝、首都で公開 オランダから10年ぶり返還

オランダの博物館からウクライナに返還され、公開された古代遊牧民族スキタイの黄金財宝=28日、キーウ(ロイター=共同)

 【キーウ共同】ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島からオランダ・アムステルダムの博物館に貸し出されていた古代遊牧民族スキタイの黄金製装飾品などの財宝が、約10年ぶりにウクライナに返還され、首都キーウ(キエフ)で28日公開された。

 返還されたのは、黄金のかぶとや首飾りを含む約560点。カランデエフ文化情報相代行は「軍が領土を奪還するのと同じように、スキタイの宝物も取り戻すことができた」と意義を語った。

 アムステルダムの博物館は、14年3月のクリミア併合の数カ月前、クリミアの四つの博物館から財宝を借り受けた。その後、ロシア支配下となった博物館側が返還を要求した一方、ウクライナは自国に戻すよう主張し、訴訟に発展。今年6月、オランダの最高裁が、ウクライナの主張を支持する判決を出し、同国への返還が決まった。

 スキタイは紀元前7世紀から同3世紀ごろにかけて、黒海北岸の草原地帯に強大な遊牧国家を築いたイラン系の民族。巨大な古墳を造り、多数の黄金製装飾品を副葬したことで知られている。

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