青森県の子ども肥満傾向、全年齢で全国上回る 2022年度調査、10区分で全国ワースト

 青森県の幼稚園児から高校生(5~17歳)までの肥満傾向が依然高い水準で続いていることが28日、県が公表した2022年度の学校保健統計調査で明らかになった。肥満傾向児の割合(出現率)は、前年度と同じく男女とも全年齢層で全国平均を上回った。男女それぞれ13ある年齢区分のうち各5区分、計10区分が全国ワーストだった。

 調査は県内の幼稚園、小中高校計818校中159校の健康診断結果を基に集計した。標準体重から算出した肥満度が20%以上の子どもを「肥満傾向児」としている。

 県内の肥満傾向児の割合は男子の8、9、11、14、16歳と、女子の5、7、10、13、14歳が全国で最も高かった。女子の6、11、12歳を除く計23区分が10位以内に入っている。

 全国平均を最も大きく上回ったのは、男子が9歳(23.24%)で10.07ポイント差、女子が10歳(17.63%)で7.89ポイント差だった。全国平均に最も近いのは男子が5歳(5.58%)の2.02ポイント差、女子が6歳(7.34%)の1.84ポイント差。

 子どもの肥満対策は青森県の長年の課題。ただ、新型コロナウイルス禍で20年度以降、全国的に肥満の児童生徒が増えたとされる。県学校保健推進計画(19~23年度)は肥満傾向児の割合を小中高とも10%以下に低下させる目標を掲げているが、達成は難しい状況だ。

 県教育委員会スポーツ健康課の担当者は「運動不足や睡眠不足、朝食を取っていないなど、考えられる背景が何なのか、この調査だけでは分析が難しい」とした上で「本年度は新事業として健康福祉部と連携し子どもの肥満の原因を把握する実態調査を行う。実態を踏まえて効果的な対策を検討し、改善につなげていきたい」と話した。

 身長は女子15歳を除く男女計25区分で、体重は男女とも全ての年齢層で、全国平均を上回った。

 このほか22年度の調査では、裸眼視力1.0未満の児童生徒の割合が、小中高校で全国平均を上回った。虫歯がある子どもの割合(治療済みを含む)も、幼稚園から高校までいずれも全国を上回った。

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