【インド】重要20鉱区の入札、29日に開始[資源]

インド鉱山省は28日、重要鉱物の20鉱区の入札を29日に開始すると発表した。同省によると同様の入札を実施するのは今回が初めて。輸入に依存する重要鉱物の国内での産出を強化することで、経済成長の促進や国家安全保障の強化、クリーンエネルギーへの移行支援につなげる狙い。

入札はオンラインで2段階に分けて実施する。鉱区や入札条件、日程などの詳細は29日の午後6時に公表する。入札者が見積もった鉱物の出荷価格に基づいて落札者を決める。

政府は今年8月に鉱山・鉱物(開発と規制)法を改正し、24鉱物を重要鉱物に指定した。全国に広がる鉱区の入札による収益は、各州政府が得る。ロイヤルティー率は鉱物によって異なり、モリブデンが7.5%、白金族が4%、リチウムとニオブが3%、レアアース(希土類)が1%などとなっている。

インドは、需要の大きい重要鉱物を輸入に依存してきた。重要鉱物は、再生可能エネルギー、防衛、農業、製薬、ハイテク・電子機器、通信、輸送などの業界で使用されており、インドの経済発展や国家安全保障に不可欠。一部の国からの輸入に依存することは、サプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)性につながるとの見方だ。

インドでは今年2月、北部の連邦直轄地ジャム・カシミールで国内初のリチウム鉱床が見つかっていた。

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