宮沢賢治の世界へ引き込むチェロの音色 没後90年企画で演奏会

宮沢賢治が生前愛用したチェロを演奏する宮田大さん

 花巻市若葉町の市文化会館で25日、「チェロでつづる宮沢賢治の世界」が開かれ、市民約800人が賢治が生前愛用したチェロの音色などに聞き入った。

 賢治没後90年特別企画として、宮沢賢治記念館が主催。スペイン・バルセロナを拠点とするチェリスト九十九(つくも)太一さん(35)はチェロ無伴奏組曲「GOSHU」を演奏。小学生時に出合った「セロ弾きのゴーシュ」をテーマに作った曲で、画家の父伸一さんの作品を生かした映像に合わせ物語の世界に引き込んだ。

 国内外で活躍するチェリスト宮田大さん(37)=東京=は、賢治愛用のチェロで「星めぐりの歌」や「荒城の月」など6曲を届け「彼(賢治)が語りかける声のように聞こえる。ありのままの音を届けるように弾いた」と語った。

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