岩手大、獣医学部新設へ 2025年度を目標、人材育成の態勢を強化

 岩手大は2025年4月に獣医学部を新設する方針だ。牛や豚などの産業動物を診たり、公衆衛生を担う獣医師を養成する態勢を強化し、東日本での人材育成をけん引する。学部として独立させることで、意思決定やカリキュラム編成にスピード感と独自性を持たせる狙いもある。学部の新設は1977年の人文社会科学部以来。

 現在の農学部共同獣医学科を改組し、獣医学部共同獣医学科を新設する。6年制で入学定員は現行と同じ30人。文部科学省と相談を進めており、来年8、9月ごろに可否が判明する見通し。

 カリキュラムは国際標準を目指し、共同獣医学科の設置で連携する東京農工大と協議する。犬や猫などの小動物を診る「ペット医」に比べ、産業動物獣医師や公衆衛生、家畜衛生を担う公務員獣医師が少ない傾向にあり、こうした全国的な課題への対応を図る。

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