ワインや焼酎300本「海底でまろやかに」 佐伯市の漁業関係者が熟成へ設置【大分県】

ワインや焼酎などを海底に沈める協議会メンバーら=佐伯市の佐伯湾

 【佐伯】佐伯市鶴見の漁業関係者でつくる鶴見地域シングルシード養殖協議会(軸丸徳実会長、9人)は22日、3回目となる海底熟成酒作りを始めた。ワイン、焼酎などを佐伯湾内に沈めた。

 海底熟成酒は温度変化の少ない海底に一定期間置くことで、波などに揺られて味がまろやかになるとされる。漁業経営の安定化を目指して2020年度に試験熟成し、翌21年度に事業化。地元のフルタ酒店、フランス料理店のムッシュ・カワノ、臼杵市の藤居酒造と連携して取り組んでいる。

 鶴見地松浦の松浦漁港広場で出発式があった。フルタ酒店の古田茂子代表が「無事に熟成できるよう期待します」とあいさつ。この後、赤、白のワイン、焼酎など約300本が入った4個の専用コンテナを船に積み込み、同湾へ。同協議会メンバーが丁寧に水深15メートルの海底に沈めた。

 同協議会によると、設置場所の水温は20度前後で一定しており、熟成に適しているという。今回は4カ月ほどで引き揚げることにしている。

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