クマに会わないためには、鈴やラジオを携帯 スマホでクマを撮ってはいけない エサを求めて広く行動か

テレビ愛知

愛知県内にも目撃情報が相次ぐクマ。なぜ2023年に出没件数が増えているのか、クマの生態に詳しい岐阜大学の淺野玄准教授に話を聞きました。

ドングリ類の実りが不十分

人と野生動物との境界がなくなってきている

――クマが多い理由について教えてください。

秋の主要なエサ資源となるドングリ類の実りが十分ではなく、エサ資源量が山に足りていません。食べて蓄積しなければいけない重要な時季なので、非常に食欲が増します。どうしてもエサを求めて広く行動してしまいます。

――里山の人口が減っていることも要因の1つだそうですね。

里山の人口も減って、動物の生息域がじわじわと人里のほうに広がってきています。長期的にみると、人と野生動物との境界となるようなものや、野生動物を山の方に押し上げるプレッシャーがだんだんなくなってきています。

クマから目を離さずゆっくり後退

クマに会ってもスマホで撮影しない

――もしクマに出会ってしまったらどうすれば良いですか。

「落ち着いて立ち止まる」「クマから目を離さずゆっくり後退する」。とにかく刺激をしないことが大切です。最近ではスマホでクマの動画を撮ろうとする人がいるかもしれませんが、それはクマを刺激するので大変危険。ただ、そもそも出会ってしまった時点で危険なので、肝心なのは「クマに出会わない」ことです。

山間部以外でも出没のおそれ

鈴やラジオを携帯、複数人で行動する

クマが生息する山などに行く場合は「鈴やラジオを携帯する」「複数人で行動する」などクマに人がいることを知らせることが大切です。また、山間部以外でも出没のおそれがあるので、愛知県のHPなどでお住まいのエリアや行先でクマの確認情報がないかチェックしてほしいです。

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