【MLB】 ジャイアンツが大谷と山本をトップターゲットに 大物獲得の余裕あり、二刀流を好む球団としても知られる

写真:大谷翔平©Getty Images

日本時間29日、『MLBネットワーク』のジョン・モロシ記者は「ジャイアンツはこのオフシーズン、他の全ての選択肢より、大谷翔平と山本由伸を優先している」と自身のX(旧Twitter)で投稿した。

モロシは同日に『MLBネットワーク』の番組にも出演し、「関係者によると、ジャイアンツは準備が整っている。今後数週間以内に大谷翔平か山本由伸のどちらかを獲得するために、誠意と資金を注ぐつもりだ」と、ジャイアンツがお金以上のことをかけて獲得レースに臨む構えだということを伝えている。

2010年代に3回の世界一を成し遂げたジャイアンツだが、2017年からはわずか1回のプレーオフ出場に留まっている。その期間の唯一のプレーオフ進出年である2021年には107勝を挙げ、その再現を期待されていたが、ここ2年はあえなく低迷した。ジャイアンツはスター選手の獲得を目指し、昨オフはアーロン・ジャッジとカルロス・コレアの争奪戦にも参戦していたが、獲得には至らず。今オフの大谷あるいは山本で“三度目の正直”を狙う。

ジャイアンツのチーム状況は大谷と山本を強く必要としている。広いオラクル・パークを本拠とする宿命か、チームは貧打に喘ぎ、チームOPSはメジャー26位に。先発ローテーションも、強力な先発投手はサイ・ヤング賞投票3位に入ったローガン・ウェブのみという状況だ。パトリック・ベイリー捕手、ルイス・マトス中堅手といった楽しみな若手がデビューしてきたが、大谷や山本のようなチームの核になれる選手を求めている。

財政状況も大物の獲得に追い風だ。現状、ジャイアンツの来季確定分はおよそ1億4234万ドル(『Cot’s Baseball Contract』より)と高額だが、再来年からは一気に軽くなる見込み。来季限りで6選手がFAとなり、およそ6225万ドルが浮く計算となるためだ。

ファーハン・ザイディ編成本部長は「我々はペイロール(総年俸)にかなりの柔軟性を持っている。我々にとってインパクトをもたらせる選手であると思われる人材には、たとえ長期契約でも注目するつもりだ」(『サンフランシスコ・クロニクル』)と、大型契約の可能性を認めている。

大谷に関して言えば、ジャイアンツは「自然なフィット」(他球団幹部)になると言われている。ザイディ率いるジャイアンツは二刀流選手を好み、2年連続でドラフト1巡目に二刀流選手を指名した。2022年のレジー・クロフォード、2023年のブライス・エルドリッジはともに“ツーウェイ・プレイヤー”(二刀流)として指名を受け、育成されている。

再来年以降の投手復帰を目指す大谷としても、二刀流を育成するジャイアンツには明確なプランと万全のバックアップを期待できるのではないだろうか。

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