氷見にサル出没続く 9月から目撃24件複数の個体? 市、対応に苦慮

道路脇に出没したサル=10月27日、氷見市稲積(同市提供)

 氷見市内でサルの出没が止まらない。目撃情報は9月から計24件に上り、今月下旬からは中心市街地にも出没。29日は小学校付近などに現れた。市内では5年前に女児がけがを負う被害が出ており、市は防災無線などで警戒を呼び掛けているが、神出鬼没なサルへの対応は難しく、担当者は「いつまで続くのか」と頭を悩ませている。

 市によると、目撃情報は9月に1件、10月に12件、11月は11件が寄せられた。9月22日に市北部の阿尾、北八代の住宅地で見つかったのを皮切りに、金沢医科大氷見市民病院に近い鞍川の住宅地、市南部の柳田にある住宅団地「藤見台」、海峰小周辺にも出没した。

 今月に入って市中心部での目撃が相次いだ。20日には氷見署付近で署員が目撃し、伊勢大町の八幡橋近くにも出没した。28日には幸町の「クスリのアオキ氷見幸町店」付近、29日は十二町小と湖南小付近に現れた。現時点で人や農産物への被害は確認されてない。

 目撃されたのはいずれも単独行動の個体。県自然博物園ねいの里(富山市)によると、雄のサルは、群れから離れて新たな群れを探す習性があり、目撃されたサルは行動範囲の広い「離れザル」の可能性が高い。

 市は複数のサルが単独行動しているとみている。出没場所の予測がつかないため、担当者は「拠点のような場所も絞り込めず、困った」と嘆く。サルは冬眠せず、今後も出没が続く可能性があり「見掛けても近寄らないでほしい」と呼び掛けている。

  ●首に発信機の個体も

 目撃されたサルの中には、発信機のようなものがある首輪を付けた個体もいたという。研究目的などで位置が分かるようにして放たれたとみられる。

 県自然保護課によると、県内では県東部に生息するメス約20匹に発信機を付けている。メスが群れを離れることはなく、地理的にも氷見への移動は考えにくいとしている。

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