日出町のカラオケ喫茶、戻った活気と歌声 コロナ禍乗り越え、地域の憩いの場に【大分県】

カラオケ喫茶「スポットライト」がコロナ禍前の活気を取り戻しつつある。「健康づくりや地域の憩いの場として盛り上げたい」と意気込む河内明美さん=日出町大神
週末を中心に多くの来店客でにぎわう日が増えている

 【日出】日出町大神のカラオケ喫茶「スポットライト」が、新型コロナウイルス禍を乗り越え、地域の憩いの場として活気を取り戻している。経営する演歌歌手の河内明美さん(56)=町ふるさと親善大使=は「コロナ禍前の雰囲気になってきた。住民が集う場として、さらに盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 河内さんは子どもの頃から歌が好きで、「地元の人に歌うことで元気になってもらいたい」と2016年11月に自宅敷地内にカラオケ喫茶を開いた。

 来店客は順調に増え、月に200~250人程度訪れていたが、コロナ禍となり20年からは激減した。「感染症対策を取っていても営業しづらかった」と、周囲の目も気になった。

 21年5月には、同居していた父・次男さん(当時78歳)が感染。持病があったため重症化して亡くなった。「あまりのショックで、店を開ける気力がなくなった」と明美さん。休業を決め、自宅でふさぎ込む日々が増えた。

 それでも、常連客から「店を開けてほしい」と温かい言葉で励まされ、父の死から1年後の昨年6月に営業を再開した。以前ほどではないものの客足は戻ってきている。

 次男さんは誰よりも明美さんの歌手活動を応援していたという。建築関係の仕事をしていた技術を生かし、明美さんの要望をすべて取り入れて店舗を設計、建設してくれた。

 「父は歌が大好きだった。再びスポットライトに地域の人たちが集まり、歌ってくれていることを喜んでいると思う」

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 新型コロナウイルス禍で実施を見合わせていた「歌謡ステージ スポットライト7周年記念発表会」を12月3日午前10時から日出町中央公民館で開く。無料。

 練習を重ねた常連客が歌を披露。午後1時ごろから河内さんの歌謡ショー、三味線演奏がある。

 問い合わせは同店(0977.72.7436)。 

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