カネミ油症 長崎県が次世代含む未認定対象の実態調査を開始

 カネミ油症事件を巡り、大石賢吾知事が2月に実施の意向を示していた未認定患者の実態調査について、県は12月1日までに調査票を発送する。県独自の取り組みで、対象は県が把握している県内在住の未認定患者約150人。被害者の子どもら「次世代」を含むが、全国油症治療研究班(事務局・九州大)が現在進めている次世代調査の参加者は、重複を避けるため対象としない。
 今回の調査は2009年度に県が全国で初めて実施して以来。未認定患者の実態を改めて把握し、毎年行っている油症検診の受診呼びかけなどに生かす。
 調査票は、現在の健康状態、病歴などを問う内容。回答の締め切りは12月末まで。来年3月までに結果をまとめる方針。
 油症認定の診断基準は、汚染油に混入していた原因物質ダイオキシン類の血中濃度を重視しているため、汚染油を摂取し症状があっても濃度が低いと認定は困難。また次世代も濃度が高くない人が多く、大半が未認定となっている。
 カネミ油症被害者五島市の会など県内3団体は、未認定患者の実態把握や診断基準改定を国に求めるよう大石知事に要望している。
 問い合わせは県生活衛生課(電095.895.2362)。

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