オーストリア「不動産王」が破産 手続き開始申請、金利高が重荷に

オーストリアの不動産大手シグナ本社=6日、ウィーン(ロイター=共同)

 【ウィーン共同】オーストリアの不動産大手シグナ・ホールディングスは29日、同国の裁判所に破産手続きの開始を申請した。シグナ社は「不動産王」として知られる大物実業家のルネ・ベンコ氏が率いる。インフレ対応による欧州中央銀行の利上げに伴う大幅な金利上昇が経営の重荷となった。ロイター通信などが報じた。

 シグナ社はニューヨークのクライスラービルを共同所有するほか、ドイツやスイスの百貨店なども保有しているとされる。

 オーストリアやスイスなど各国の大型プロジェクトにも出資していたが、資金繰りが悪化したもようだ。業界大手の破綻により、不動産価格の下落など各国に影響が広がる可能性もある。

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