写真作家発掘目指すオーディション「GRAPHGATE」 初代グランプリに逸見祥希さん(青森・三沢市出身)

太陽光パネルのある風景をドローンで撮影した作品
グランプリを受賞した逸見さん=25日、東京都内

 写真・映像作家の発掘を目指す、キヤノンマーケティングジャパンの新たなプロジェクト「GRAPHGATE(グラフゲート)」で、青森県三沢市出身の写真家逸見祥希(へんみ・よしき)さん(29)=東京都在住=が初代グランプリに選ばれた。地方の農村などに設置された太陽光パネル群と景観をテーマにドローンを使って撮影した写真作品「(Un)acceptable landscapes」が評価された。

 「グラフゲート」はオーディション形式。作品だけでなく、作家の強い意志や創作意欲を伝えるコミュニケーション力も重視する。第1回にはプロ、アマ問わず1258人が応募し、写真、映像部門の中から20人を選出。さらに25日に都内で行われたグランプリ選考会で、優秀賞の5人によるプレゼンテーションを行い、逸見さんが最高賞のグランプリに選ばれた。

 逸見さんは「プレゼンで自分の思いをうまく伝えることができた。青森で活動する若い表現者の方たちの一つのささやかな希望になれたら」と喜びを語った。

 撮影では太陽光発電開発が盛んな山梨県北杜(ほくと)市などに通い、メガソーラーなどを空撮。マジックアワーと呼ばれる日の出前や日没後なども狙って、美しく印象的な51枚の写真に仕上げた。「子どもの頃、太陽光発電の開発により、地元の景観が変わってしまったのを見てきた。自然エネルギーのための開発とその土地に暮らす人々が共生できる未来を写真の力で切り開いていきたい」と話した。

 逸見さんは八戸高専を卒業後、日大芸術学部写真学科で和田光弘氏(写真家、十和田市出身)に師事。現在、早大大学院社会科学研究科に所属しながら作家活動をしている。今後はキヤノンのサポートを受けながら、作品作りや個展などを開催していく。作品の一部は自身のホームページ(yoshiki-hemmi.me)上で公開中。

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