木と歩む後継育てたい 茂木の大島さん神田さん夫妻 移住40年記念で「木工芸二人展」

展示会場で大島さん(左)の額絵作品を背景に、神田さん(右)の作品の椅子に座る2人

 【茂木】県内に40年前に移住し木工芸を手がけている夫婦が、ふみの森もてぎで「木と樹(き)と希 森から始まる未来 木工芸二人展」を開いている。展示で2人の作品を紹介しながら、茂木の地で自分たちが歩んだような木工を含む手工芸で生業を起こそうという人との出会いの場にもしたいという。12月3日まで。

 北高岡、組み木絵レリーフ作家大島明海(おおしまあけみ)さん(72)、創作家具作家神田賢(かんだまさる)さん(75)は1983年に都内から市貝町に転居。間もなく茂木町内の山林に土地を借り、自ら切り開いて家を建てて移り、工房で活動を続けている。主に国産の広葉樹や針葉樹を用いてそれぞれ個性豊かなクラフトや家具を製造販売している。

 同展に栃木移住40周年記念と銘打ち、大島さん独自の技法で色違いの木材の組み木に丸い立体感を持たせた温かみのある額絵など約60点、神田さんの高いデザイン性の椅子や小物など約30点を展示している。

 2人の作品の手法は森林資源に恵まれた茂木の木のイメージから生まれたという。大島さんはこれまで約3千人の生徒に指導してきたが、それを生業に高めた人はいない。2人は70歳を超え、若手手工芸作家や手仕事で起業する手助けをすることが自らの役割と考えた。「茂木にせっかくある木のイメージを生かしたい。未来を模索する提案を行いたい」と話す。

 会場では手仕事や手工芸、木工起業の相談を受ける。自然の中の子育て「大人と子どもの木育・花育」も提案。大島さんの木工教室生徒作品も展示している。

 (問)木の工房カフェ「レリーフガーデン」080.3399.4957。

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