【MLB】MLB公式HPが「大谷翔平が自身を向上させた5つの方法」を紹介 長年にわたって好成績を残す要因とは?

写真:2021年に引き続き、2度目の満票MVPを受賞した大谷翔平

日本時間11月30日、メジャーリーグ公式HP『MLB.com』にて、デビッド・アドラー記者が「大谷が自身を向上させた5つの方法」を紹介した。

1)球界屈指の「速球に強い」打者になった
アドラー記者は、大谷の最も劇的な進歩として「速球への対応」を挙げた。大谷は投手がパワーヒッターを打ち取る際に使う速球への対応の仕方を学んだという。初めてMVPを獲得した2021年シーズンと比べても、飛躍的な進化を遂げているとのこと。以下は大谷の4シームに対する打撃成績である。

2021年:打率.253、長打率.540、OPS.905
2023年:打率.402、長打率.818、OPS1.298

これを見れば一目瞭然だろう。また、大谷が速球の中でも特に苦手としていた「95マイル以上の4シーム」と「高めの4シーム」に対しても、同様に成績が向上していると伝えている。

2)コンタクト打撃はキャリアベストに向上
アドラー記者は「大谷は毎年エリート級のパワーを発揮している」としたうえで、2023年はMLBで初めて打率3割を超えたことに着目している。StatcastによるxBA(大谷が放った打球から予測される打率)は、2021年シーズンから3年連続で上昇している。今季の大谷のxBAはア・リーグで6番目の成績であったと伝えている。大谷の打率3割は偶然ではなく、データの面からも必然であったということだ。

3)かつてなくボールを強く打った
大谷は常にエリート級の打球速度を記録している。しかし、「2023年の彼はこれまで以上にエリートであった」とアドラー記者は伝えている。大谷は今シーズン、平均打球速度(94.4マイル)とハードコンタクト率(54.2%)でキャリアベストを記録した。

また、興味深い点は「極端に速い打球速度を記録する頻度が高いこと」にあるという。Statcastでは95マイルを超える打球が「ハードコンタクト」として記録されるが、大谷は110マイル以上、あるいは115マイル以上の打球を放つ稀有な打者である。大谷は今季、110マイル以上の打球を47回放ったが、これを上回ったのはロナルド・アクーニャJr.だけであった。

4)自分自身の最高の形を組み合わせた
2023年に向けて、大谷にはメジャーリーガーとして大事な2つのシーズンがあった。2018年の新人王シーズンと、2021年のMVPシーズンである。アドラー記者によると、この2シーズンで大谷は、全く異なるタイプの選手であったという。

「2018年の大谷の特徴は、左中間へのホームランであった。それとは対照的に2021年はパワーを発揮した引っ張るホームランが多く、キャリアハイの46本塁打を記録した」

では、今シーズンはどうだったか。大谷は自分のベストを見つけた。それは「新人王大谷」と「MVP大谷」のバランスである。以下の成績を見れば、そのことがよくわかる。

ライト方向へのホームラン
2018年:22本中7本(32%)
2021年:46本中26本(57%)
2023年;44本中18本(41%)

センター方向へのホームラン
2018年:22本中12本(55%)
2021年:46本中15本(33%)
2023年:44本中21本(48%)

5)投手にスイーパーを投げさせないようにした
ここ数シーズンのトレンドとなっているスイーパーを、大谷は早い段階から攻略していた。スイーパーが流行した2023年の4月と5月、大谷はスイーパーに対して打率.333、長打率.833を記録し、2本の本塁打を放った。平均打球速度は92マイル、ハードコンタクト率は67%を記録している。その後、大谷に対しスイーパーが投げられることは減り、4、5月には計47球が投じられていたものの、残りのシーズンでは16球だけであったという。

大谷がMLBの舞台で長年にわたって好成績を残している要因には、こうした絶え間ない進化があるのだろう。

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