小松市の安宅住吉神社で、正月の縁起物「厄除(やくよけ)面(めん)」作りが最盛期を迎えている。30日は巫女(みこ)7人が参拝者の平穏な暮らしを願いながら、和紙で作られた面に筆で顔を描き入れ、台紙に縫い付ける作業を進めた。
厄除面は縦8センチ、横5センチで、歌舞伎「勧進帳」で知られる安宅の関守・富樫家に約800年前から伝わる翁(おきな)の面をかたどっている。開運厄除や家内安全の御利益があり、厄を吸い取るほど顔が黒ずむとされる。
面作りは全国唯一の取り組みで、昭和初期から続いているという。今年は11月14日に制作を始め、12月20日までに5千個を仕上げる予定で、元旦から祈祷(きとう)を受けた参拝者に配る。