“東京VをJ1に上げた男になる”、有言実行まであとひとつの主将・森田晃樹が清水との国立決戦へ「しっかりと勝ってJ1に上がりたい」

清水との国立決戦へ意気込み語った森田晃樹[写真:©超ワールドサッカー]

東京ヴェルディでキャプテンを務めるMF森田晃樹が、2023J1昇格プレーオフ決勝に向けて意気込みを語った。

11月30日、2023J1昇格プレーオフ決勝に向けた両クラブの監督、代表選手1名による合同オンライン記者会見が実施された。

今シーズンの明治安田生命J2リーグを2位のジュビロ磐田と同じ勝ち点75で終えたものの、得失点差で涙を呑んで3位フィニッシュとなった東京V。これにより、2018シーズン以来の参戦となったプレーオフ準決勝では6位のジェフユナイテッド千葉を2-1で下し、16年ぶりのJ1昇格へ王手をかけた。

そして、12月2日に国立競技場で行われる運命の決勝ではレギュラーシーズン4位で、プレーオフ準決勝でモンテディオ山形を退けた清水エスパルスとの対戦が決定した。

準決勝でチームを勝利に導く殊勲の1ゴール1アシストの活躍を見せた生え抜きMFは、今回の会見とその後の囲み取材を通じて決勝への意気込みを語った。

「準決勝も引き分けではなく勝って上がったので、自信を持っていますしチームとしても良い準備ができています」

「素晴らしいスタジアムで素晴らしい相手と良い緊張感で試合を楽しみたい」

「緊張はめっちゃしていますが、すごく楽しみ。なかなかこんな緊張感がある試合はないですし、スタジアムもそうですし、相手も強いチームなのでそこでやるのが楽しみです」

また、レギュラーシーズンではビルドアップの起点やゲームメイクの部分で存在感を放った一方、なかなかゴールやアシストという目に見える貢献をできずにいた23歳MFは、千葉戦での決定的な仕事に手応えを感じている。

「リーグ戦でなかなか得点やアシストができなかったので、ああいう試合で決められたことは、チームメイトがどう思っているかはわからないですが、サポーターの方にとっては大きな意味があったのかなと思いますし、自分としてもすごく自信になる良い得点だったと思います。ただ、次で決めたら本物だと思います」

対戦相手の清水の印象については、J2のレベルを凌駕した強敵であると率直な感想を語ったが、J1で戦うために個人、チームとして越えなければいけない壁だと捉えている。

「城福さんがおしゃっていましたが、個人個人の能力はすごく高いものがあって、プラス守備の強度もすごく高い」

「高い壁です。本当に持っているポテンシャルは正直なところJ2のチームかと思うぐらいの選手がいて、最初に対戦したときはびっくりしました。守備の強度もすごく高くて、これがJ1でやってきたチームなんだなと思いました。だからこそ、そこを越えないとJ1では戦っていけないと思うので、しっかりと越えたい」

森田個人としては昨シーズン終了後にステップアップの可能性を模索したものの、最終的に生まれ育ったクラブへの残留を決断。そして、城福浩監督に新キャプテンに指名されたなか、開幕前には「ヴェルディをJ1に上げた男になりたい」との大きな決意を口にしていた。

そして、有言実行まであと一歩に迫るなか、改めて大一番への決意を語っている。

「1年間はあっという間でした。自分がキャプテンをやるとなってから、その覚悟というか、責任感を持つためにそういう発言をして1年間チームとしてやってきました。本当に今はチームに自信があり、それを決勝で100%ぶつけられればと思います」

「今振り返ってみても助けられたことばかりだったと思います。特に、今までチームを引っ張ってくれていた平くんやカジくん(梶川)といったずっとヴェルディにいる選手に助けてもらったと思います。また、歳が近い周りの選手にも助けられたと思います」

「今のチームは本当に勝負強くなったと思いますし、ロスタイムで決勝点を決めた試合もありましたし、(前半に数的不利を背負った)ホーム最終戦の栃木戦も中原輝くんのゴールで勝ちましたし、自分たち自身で感動する試合も多くて監督が求めるものを体現できていると思います」

2008年のJ2降格以降、ピッチ内外で苦難の日々を過ごしたJ1初代王者は、一時期の低迷によって約5万人収容の味の素スタジアムでのホームゲームは5千人を切る試合も少なくなかった。だが、コロナウイルスのパンデミック終息、昨シーズン途中の城福新体制移行後はチームの躍進と共に徐々にスタジアムが緑に染まり、シーズン最終盤の数試合ではビッグフラッグに加え、ゴール裏に荘厳なコレオグラフィーもお目見えした。

かつてはアカデミーの選手としてスタンドからトップチームの選手に声援を送り、プロになって以降はピッチからスタンドを見てきた森田にとっても、今季のスタジアムの変化に心を動かされているという。

「(コレオグラフィーは)なかなか今まで見たことがなかったですし、でもあれをやるには時間もかかると思いますし、労力もかかると思うので、本当にチームとして一体感を出すために、あそこまでやってくれることに感謝しかないです」

「(国立でのコレオは)やっぱり楽しみですし、気分も上がるので楽しみにしています」

最後に、小学3年生からアカデミーで育ち、最もヴェルディらしい創造性に溢れる技巧派MFは、16年ぶりの悲願達成へ大きな期待を寄せるファン・サポーター、クラブOBに昇格を誓った。

「自分がアカデミーに入った小学3年生のときからクラブはずっとJ2で自分たちが今年上がれればと思っています。ヴェルディが大好きな人たちをずっと見て育ってきているので、ヴェルディへの想いは強いです」

「スタジアムに来てくださったOBの方もいますし、SNS等で『頑張って』というメッセージを頂いたりもしています。みんなヴェルディのことを気にしてくれて好きな人が多いので、期待に応えたい気持ちです」

「サポーターには15年待ってもらっていますし、かなり大きな期待を寄せてもらっているので、しっかりと勝ってJ1に上がりたいです」

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