2024年はモノの値段はどうなっていくのか。みずほリサーチ&テクノロジーズ・主席エコノミストの酒井才介さんに話を聞きました。
みずほリサーチ&テクノロジーズ 酒井才介 主席エコノミスト:
「2024年の物価見通しに関しては2023年と比べると幾分か鈍化する。物価上昇率が緩やかに鈍化していく展開を予想している」
物価上昇率の鈍化、その鍵を握るのがアメリカの景気だといいます。
酒井さん:
「アメリカも2024年の前半には浅い景気後退に入る可能性が高いとみている。そうするとアメリカの中央銀行もアメリカ経済が景気後退に入ったとなれば、利下げに転じるということになるので円高方向に働く」
円高は輸入価格の低下につながります。
酒井さん:
「アメリカ経済が弱含むとなれば、当然原油とか世界的な商品の需給も緩む。原油価格も2024年にかけて、2023年、2022年と比べると水準が幾分か下がりやすくなると考えられるので、これらの要因は日本の輸入物価を押し下げる要因になる。こうしたことを受けて、食料品などを中心に価格上昇率の勢いを幾分か和らげていく」
物価上昇率は落ち着くと予想しますが、消費者の負担感はしばらく変わらないといいます。
酒井さん:
「物価の伸びが賃金の伸びを上回ってしまう。実質賃金が前年比でマイナスになってしまう。この状況は、おそらく2024年の半ばまでは続いてしまうと思う。消費者からみれば、生活水準が切り下がってしまっていると感じる状態がしばらく続いてしまう。したがって、2024年の個人消費もおそらく家計の節約志向が高止まりしてしまうというか、財布の紐が固くなってしまう状況が続く可能性が高い」