水不足 ダムの貯水率が例年を大きく下回る 広島県

広島県内では、今年8月以降十分な雨が降っておらず、場所によってはダムの貯水率が例年を大きく下回っています。特に危機感を持っているのが太田川流域です。

■上田潤 記者

「安芸太田町温井ダムです。雨不足の影響でしょうか。全体的に水の量が減っているようにみえます」

太田川流域の上流に位置する温井ダム。今年8月以降、太田川流域ではまとまった雨が降っておらず、ダムの貯水率が大幅に下がっています。国土交通省中国地方整備局によると、「温井ダム」など上流にある4つのダムの貯水率の合計は39.4%。例年の60%に比べると心もとない状況です。

今後もまとまった雨が降らず、貯水率の合計がおよそ22%を下回った場合、水利用の調整を行うことになります。

また、県内で大幅に貯水率が下がっているのが江の川水系の灰塚ダムです。

例年はこの時期、90%を上回る貯水率ですが、現在は20%余りにとどまっています。

■三次河川国道事務所 村岡和満副所長

「一番少ないときでも約30%くらい でここまで少ないのは初めて」

灰塚ダムでは貯水量の減少を受け、11月2日から取水制限を始めました。三次市の農業用水の一部などを削減しているということです。

■三次河川国道事務所 村岡和満副所長

「このまま雨が降らないと来年の農業に水が必要な時期に、4月以降に影響が出てくるのかなと思う」

雨不足の影響は、農家にも忍び寄っています。

30日から出荷が始まった呉市特産のみかん「こだわりいしじ」。

今年は、全体的に小ぶりです。味は、凝縮されて糖度が増した半面、心配されることがあります。

■生産者 落海政博さん

「8月9月10月とほとんど雨が降ってないですからね。木が弱っているから来年が心配ですね」

農作物にとっても雨は大事な生命線。広島地方気象台によると県内は来週、雨が降る日があるものの向こう一か月の降水量は例年より多くなる確率は50%で今後も雨の降り方を注意深く見守る必要がありそうです。

【2023年11月30日放送】

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