「ありがたい 詰めの協議進める」大井川利水協“田代ダム案”了解にJR東海社長 リニア工事水問題で

リニア工事に伴う水問題の解決策とされる「田代ダム案」をめぐり、JR東海の丹羽俊介社長は11月30日、大井川流域の自治体でつくる協議会がこの「田代ダム案」を了解したことを受け、ダムを管理する東京電力と「基本合意に向けて詰めの協議を進めていく」と述べました。

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<JR東海 丹羽俊介社長>
「取水抑制の具体的な実施案について、大井川利水関係協議会から了解を受けて、ありがたいことだと思っている」

JR東海の丹羽社長は30日の会見で、水問題を解決に導く「田代ダム案」について、今後の方針を示しました。「田代ダム案」はリニアのトンネル工事に伴い、大井川の水が減る問題の解決策としてJR東海が示したもので、山梨県側に水を流す田代ダムの取水を抑え、静岡県側の水量を確保する案です。

この「田代ダム案」について10月、JR東海はダムを管理する東京電力との協議がまとまり、流域の自治体などでつくる大井川利水関係協議会の事務局である静岡県に対して、正式な了解を求めていました。そして、県は11月29日、利水協が了解したことをJR東海に報告しました。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「東京電力と基本合意に向けた詰めの協議を進めて、取水抑制案を速やかにまとめたいと考えている」

水問題解決に向け、大きく前進する一方でー

<静岡県 川勝平太知事>
「国と県の連携を一層深めるための貴重の機会となりまして」

静岡県の川勝平太知事が30日、都内で連携を求めたのは、県内選出の国会議員。この場でも最大の関心事となったのはリニア問題です。

<自民党静岡県連会長 城内実衆院議員>
「リニアについての立場は(県側と)近づいている。まったく一致しているかは別として」

比較的柔和なムードだったといいますが、県に対し、今後の進め方に注文をつけました。

<自民党静岡県連会長 城内実衆院議員>
「いずれにしても残された課題を理由に、開業時期を遅らせるようなことはあってはならない」

<静岡県 川勝平太知事>
「特にこれから環境の問題に入っていくが、その辺の関心を強く持っていることは理解してもらえた」

引き続き、田代ダム案について、県の専門部会で議論したいと要請している県に対し、JR東海は要請の趣旨から確認したいとしていて、両者の距離はなかなか縮まらない状況です。

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