【MLB】ブリュワーズが超有望株チョーリオと8年契約を結ぶ意向

写真:今季はフューチャーズゲームにも出場したチョーリオ

ブリュワーズが思い切った長期契約に踏み切りそうだ。

日本時間30日、ブリュワーズがMLB.comのプロスペクトランキングで現在2位の超有望株、ジャクソン・チューリオと8年8000万ドル規模の長期契約を結ぶ方針であることが明らかになった。「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン氏が報じている。

もしこの契約が締結されれば、MLBレベルに到達していない選手としては史上最高額の契約ということになる。

チョーリオは現在19歳の中堅手。2021年にブリュワーズと契約後、2022年にはA級からAA級まで3つのレベルで通算439打席に立ち、OPS.879をマーク。プロ生活2年目にしてあっという間にMLB上位の有望株へと成り上がった。

さらに今季、チョーリオはAA級で122試合、559打席に立ちOPS.803をマーク。終盤に昇格したAAA級でも6試合ながらOPS.851を残し、現在開催されているベネズエラウインターリーグでも1近いOPSを誇っている。19歳にしてMLBまであと一歩のところまで上り詰めた次代のスター候補に対し、ブリュワーズは以前から長期契約を目論んでいたようだ。

しかし、いくらチョーリオが有望とはいえここまで早期の契約延長というのはほとんど例がない。これまでMLB到達前に結ばれた中で最大なのはルイス・ロバート(ホワイトソックス)の6年5000万ドルだが、それを3000万ドルも上回ることになる。

なお、チョーリオを除くとMLB到達前に契約を結んだ選手は5人いる。ロバート、エロイ・ヒメネス(ホワイトソックス)、ジョン・シングルトン(アストロズ)、エバン・ホワイト(マリナーズ)、スコット・キンガリー(フィリーズ)だ。このうち、ヒメネスとロバート以外の契約は元が取れたとは言いがたい状態になっている。MLB昇格前の選手はかなりのリスクがあるだけに、チョーリオがどう出るかは注目したいところだ。

とはいえ、ブリュワーズの財政を考えればデビュー前に契約を結ぶ方針をとるのも無理はない。近年、MLBデビュー後早い段階で長期契約を結ぶパターンは少なくないが、その多くはかなり大規模なものになりがちだ。

たとえば2022年のシーズン中に契約延長を発表したフリオ・ロドリゲス(マリナーズ)は12年2億930万ドルが保障される契約であり、2023年シーズン前に契約延長を発表したコービン・キャロル(前年はわずか32試合の出場だった)でも8年1億1100万ドルの契約となっていた。

ロドリゲスとキャロルはともにチョーリオと同じくリーグトップクラスの有望株と評されていた選手。もしチョーリオがMLBデビューした後であれば、契約延長には彼らと同レベルの契約が必要だったことは想像に難くない。

ブリュワーズとしては、チョーリオの市場価格が高騰し切る前にリスクを承知で契約に踏み切ったと見るべきだろう。

© 株式会社SPOTV JAPAN