後半AT被弾のなでしこ、ブラジル女子との第1戦は壮絶な打ち合いの末に惜敗…【国際親善試合】

[写真:Getty Images]

なでしこジャパンは11月30日に国際親善試合でブラジル女子代表と対戦し3-4で敗戦した。

パリ・オリンピック出場を目指すなでしこジャパン。最終予選が残っている中、年内最後の活動としてブラジル遠征を実施。11月30日、12月3日と、アウェイで強豪ブラジルとの2連戦を行うこととなった。

ブラジル女子との初戦に向けて日本は[4-1-4-1]のシステムを採用。GKに平尾知佳、4バックは清水梨紗、古賀塔子、南萌華、遠藤純。中盤はアンカーに熊谷紗希、2列目は右から藤野あおば、長谷川唯、長野風花、宮澤ひなたと並べ、1トップに植木理子を起用した。

日本は開始早々の4分、ショートコーナーの流れから戻しを受けた遠藤の右クロスを熊谷がヘディングで合わせてファーストシュートを放つ。その後は互いにアタッキングサードまでボール運ぶが、なかなか決定機まで至らない状況が続く。

それでも日本は26分には、ボックス右横の植木がマイナスに供給したパスをボックス手前で受けた長谷川が絶妙なトラップからボックス右深くまで抜け出すと、クロスを逆サイドから走り込んだ遠藤が頭で合わせたが、これはミートせずに枠を外した。

徐々にペースを掴み始めた日本は38分、遠藤のスルーパスで左サイドを抜け出した宮澤の折り返しをボックス中央右付近で収めた長谷川が落とすと、最後は藤野が右足のシュートでゴールネットを揺らした。

待望の先制点を奪った日本だったが、わずか3分後に追いつかれる。41分、自陣ボックス右手前でFKを献上するとベアトリス・ジョアンの直接FKがそのままゴール右に突き刺さり、前半は1-1で終了した。

後半から古賀と藤野を下げて石川璃音と清家貴子を投入した日本だったが、60分に失点を許す。中盤の熊谷が下げた中途半端なバックパスがガビ・ポルティーリョにカットされると、そのまま独走を許しし、シュート。一度は飛び出したGK平尾がブロックしたが、こぼれ球を再び拾ったポルティーリョにゴールネットを揺らされた。

逆転を許した日本は63分にも、自陣中盤で南の中途半端なパスを受けた熊谷がインターセプトされると、そのままボックス内まで持ち上がったベアトリス・ジョアンにループシュートを決められた。

連続失点を喫した日本は、68分に熊谷と植木を下げて谷川萌々子と田中美南を投入、さらに80分には宮澤を下げて中嶋淑乃をピッチに送り出す。すると84分、ボックス右から侵入した谷川がアンジェリーナに倒されてPKを獲得。これを遠藤がゴール右に決めた。

1点差に迫り、勢いづく日本は88分にも長谷川のパスでボックス右横まで駆け上がった清水のダイレクトクロスをニアに走り込んだ田中がうまくゴールに流し込み、同点に追いついた。

最終盤にかけてはオープンな展開となると、日本は試合終了間際に失点を許す。97分ドリブルで持ち上がったデビーニャのラストパスをボックス左で受けたプリシラがワントラップからシュート。ふわりと浮いたシュートはゴール右に吸い込まれた。結局、これが決勝点となり親善試合第1戦はブラジルに軍配が上がった。

ブラジル女子代表 4-3 なでしこジャパン
0-1:38分 藤野あおば(日本)
1-1:41分 ベアトリス・ジョアン(ブラジル)
2-1:60分 ポルティーリョ(ブラジル)
3-1:63分 ベアトリス・ジョアン(ブラジル)
3-2:86分 遠藤純(日本)
3-3:88分 田中美南(日本)
4-3:97分 プリシラ(ブラジル)

◆なでしこジャパンメンバー
GK:平尾知佳(新潟L)
DF:清水梨紗(ウェストハム)、古賀塔子(JA福島)[→46分 石川璃音(浦和L)]、南萌華(ローマ)、遠藤純(エンジェル・シティ)
MF:藤野あおば(日テレV)[→46分 清家貴子(浦和L)]、長谷川唯(マンチェスター・シティ)、熊谷紗希(ローマ)[→68分 谷川萌々子(JA福島)]、長野風花(リバプール)、宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)[→80分 中嶋淑乃(S広島R)]
FW:植木理子(ウェストハム)[→68分 田中美南(I神戸)]

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