内弁慶ローマが痛恨ドローで首位通過絶望的に…常本佳吾フル出場で奮闘のセルヴェットは3位でカンファレンスリーグ行き【EL】

[写真:Getty Images]

ヨーロッパリーグ(EL)グループG第5節、セルヴェットvsローマが30日にスタッド・ドゥ・ジュネーブで行われ、1-1のドローに終わった。なお、セルヴェットのDF常本佳吾はフル出場した。

前節、スラビア・プラハにアウェイで完敗し、勝ち点9で並びながらも得失点差で2位に転落したローマ。残り2節では逆転での首位通過を目指して勝利且つ大量得点を狙う。3位のセルヴェット(勝ち点4)のホームに乗り込んだ一戦では3-1で勝利したウディネーゼ戦から先発5人を変更。ルカクとディバラの2トップは継続もGKにスヴィラール、両ウイングバックにチェリク、エル・シャーラウィを配した。

一方、レネ・ヴァイラー監督率いるセルヴェットでは常本が右サイドバックでスタメンに入った。

立ち上がりはホームサポーターの熱狂的な後押しを受け、セルヴェットが押し込む形に。そして、開始7分にはペナルティアーク付近の常本が左足のミドルシュートで最初の決定機を作り出した。

今季は内弁慶が課題とされるなか、この試合でも全体的に重い入りとなったローマは以降もサイドに加え、アンカーのパレデスの脇のスペースを使われて守勢を強いられる。ただ、セルヴェットの決定力に救われて大きな問題とはならず。

15分を過ぎてようやく相手陣内でのプレータイムを増やすと、センターバックの意外性のある仕掛けが先制点を演出する。21分、3バックの右に入ったジョレンテがバイタルエリアでドリブル突破を仕掛けて局面を打開。ボックス中央で浮いたルカクの足元に繋ぐと、ELで無類の決定力を発揮するベルギー代表が正確な左足シュートをゴール左隅へ突き刺した。

このゴール直後にもボックス左に持ち込んだエル・シャーラウィの折り返しからルカクに連続ゴールのチャンスが訪れるなど、先制後は完全に主導権を掴んだローマ。2トップの高いキープ力を活かして両ウイングバックもより高い位置で攻撃に絡み、内と外を織り交ぜた多彩な仕掛けでホームチームを揺さぶっていく。だが、最後のところではやや呼吸が合わず、2点目を奪い切れない。

すると、前半終盤にかけてはセルヴェットが立ち上がりのように押し込む形を作り出したが、クテサらがチャンスで決め切れず。アウェイチームの1点リードで試合は折り返した。

迎えた後半はビハインドを追うセルヴェットが勢いを持って入ると、この時間帯に同点ゴールが生まれる。50分、右サイド深くでステファノビッチが浮き球で入れたクロスに対してDFクリスタンテが被ると、その背後で冷静に足元へ収めたベディアがGKスヴィラールの股間を抜くシュートを流し込んだ。

ミス絡みで追いつかれたローマは56分にアワールを下げてペッレグリーニを投入。カピターノをピッチに送り込んで崩しの部分にテコ入れを図ると、64分にはエル・シャーラウィのスルーパスでボックス左に抜け出したディバラに決定機も、ここは珍しくシュートを枠外に外してしまう。

その後はスピナッツォーラやベロッティ、レナト・サンチェスとフレッシュな選手を投入し、ゴールをこじ開けにかかるローマ。しかし、焦りからかアタッキングサードでの細かいミスが散見され、ギアを上げたい終盤で攻め切れない。

結局、試合はこのまま1-1でタイムアップを迎え、同時刻に行われた試合で勝利したスラビア・プラハに引き離されたローマは逆転での首位通過がほぼ絶望的に。一方、常本の奮闘も光ったセルヴェットは最終節を前に3位を確定させ、カンファレンスリーグのプレーオフ進出を決めた。

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