愛知県東郷町の井俣憲治町長が、職員にハラスメントをしていたとされる問題。
1日に始まった町の定例議会で、町長が冒頭あいさつのみで退席するという異例の事態になりました。
(東郷町・井俣憲治町長)
「改めて謝罪させていただきます。誠に申し訳ありませんでした」
1日に始まった東郷町の12月議会の冒頭で、改めて謝罪した井俣憲治町長。しかし、開会のあいさつを終えると、町長だけが退席するという異例の事態に。
(録音された井俣町長の発言)
「お前ぐらいだってそんなアホ。バカじゃねぇか」
井俣町長を巡っては、町の職員に対してパワハラやセクハラとみられる言動を繰り返していたことが、職員が独自に行ったアンケートで明らかになりました。
その後、10月27日の臨時議会で町長の不信任決議案が提出され、採決の結果“否決”されました。
(東郷町・井俣憲治町長)
「不信任決議については議員の思いをしっかり受け止める。進退の判断については第三者委員会の結論をもって自ら判断する」
しかし、その翌日。
石橋直季議長は井俣町長に対し、職員の精神的保護のため、基本的に町役場に登庁しないよう求める“異例の要望書”を提出したのです。
議長「考え方が甘すぎる」と怒りをあらわに
(東郷町・石橋直季議長)
「なによりも職員の保護。どのようにハラスメントを受けた人を守るかといえば接触をとにかく減らす」
井俣町長は1日、それに応える形で、職員との接触を可能な限り回避するため、定例議会について必要な場合を除き、出席を辞退する意向を議会側に示しました。
(東郷町・井俣憲治町長)
「(ハラスメントを受けたと感じた職員が誰か)わからないものですから(本会議で同席しないように)配慮させていただいた。苦渋というよりもできることはしていこうという思い。議会運営上、支障があってはいけないので、良いバランスをとって実施するのがいいと思った。行政における混乱はないと認識している。町民のみなさんの幸せのために、東郷町の未来のために取り組むプロだと思うので、(出席しなくても)混乱はないし、あってはならない」
このように町長が言っても、議長の要望は『基本的には登庁してほしくない』ということで…
(東郷町・井俣憲治町長)
「(Q.必要最低限の登庁を求められているが登庁する?)もちろん。必要最低限と言っていますが、基本的に不必要な仕事はない」
井俣町長は『登庁は町長として業務上必要だ』と町役場への登庁は、続けると話しました。これに対して石橋議長は。
(東郷町・石橋直季議長)
「ハラスメントをした側と言われているにも関わらず、考え方が甘すぎる。ハラスメントに対する意識があまりにも低すぎる」
怒りを露にしました。
町のトップのハラスメント問題から発展した、今回のごたごたに町の人たちは…
(東郷町民)
「責任を持って自分の立場をわきまえていただきたい。私はすぐに辞めていただきたい」
その一方で。
(東郷町民)
「あんなことでゴタゴタして、恥ずかしいことだと思っている。井俣町長にはあまり興味ない」
「収束してほしいと思うが、とんでもない、許せない本当に」
(横山朋未記者)
「町の人からは町長の手腕を評価する一方で、潔くやめてほしいという声も聞かれます。そんな中で特に多いのが、町民としてこのゴタゴタが恥ずかしいという声です。町民を置き去りにしない対応が、求められているのではないでしょうか」