連載コラム【MLBマニアへの道】第12回:大谷翔平ら大物選手の契約はウィンター・ミーティングで決まるか 2019年には記録的契約連発も

写真:大谷の契約はウィンター・ミーティングで決まるのか ©Getty Images

2023年ワールドシリーズでレンジャーズが球団初制覇を成し遂げてから約1ヵ月。すなわち、オフシーズンもすでに4分1近くが経過したことになる。ここまでに成立した大きな動きは、FAではアーロン・ノラがフィリーズと7年の再契約、ソニー・グレイがカージナルスに3年契約で加入、そして日本人選手では最初の動きとなる前田健太のタイガース移籍などだ。トレードではブレーブスが1対5のトレードを成立させるなど積極的に動き、マリナーズは強打の三塁手エウヘニオ・スアレスを放出するというサプライズ的な移籍もあった。

移籍市場が本格化するのは例年大物選手が決まってから。既にノラやグレイといった一線級投手が決まったが、今オフ最大の目玉である大谷翔平と山本由伸はまだ噂止まりの段階。この2人が決まるまではFAもトレードも大物は動きづらいところだろう。

しかし、大谷や山本の決着の時はそう遠くないかもしれない。MLBでは12月3日から6日(日本時間4日から7日)にかけて、テネシー州ナッシュビルでウィンター・ミーティングが開催される。例年12月上旬に行われるウィンター・ミーティングでは各球団のフロント関係者や代理人らが一堂に会し、移籍関連の話が数多く進められることになる。

2019年オフのウィンター・ミーティングではスティーブン・ストラスバーグがナショナルズと当時投手史上最高額となる7年2億4500万ドルの契約に合意。その翌日にはゲリット・コールがヤンキースと9年3億2400万ドルというストラスバーグの記録を1日で塗り替える記録的契約に合意した。さらにアンソニー・レンドンが7年2億4500万ドルでエンゼルスに移籍したのも開催期間中の出来事だった。この年のオフMLB公式サイトがFA選手トップ3に挙げていたのがコール、レンドン、ストラスバーグだったが、その最大の大物全員がウィンター・ミーティングで契約を決めたことになる。

今オフMLB公式サイトが発表したFA選手のランキングでは1位が大谷、2位が山本、3位がサイ・ヤング賞投手ブレイク・スネルとなっている。複数の米記者が「大谷はウィンター・ミーティングで契約を決めるだろう」と予想しており、大谷だけでなく山本やスネルもここから1~2週間のうちに大きな動きを見せる可能性は高いだろう。

しかし、大物が必ずウィンター・ミーティング付近で契約を決めるというわけでもない。2018年シーズンオフのブライス・ハーパーが当時FA史上最高額の13年3億3000万ドルの契約に合意したのは、2月28日と新シーズンのスプリングトレーニングが始まる遅い時期だった。

大谷や山本はどちらのパターンになるだろうか。コールらのようにウィンター・ミーティングで決めるか、ハーパーのように長引くか。いずれにしても、このオフ最大のイベントで野球関係者からの最大の注目を集めるのは、大谷と山本という2人の日本人選手であることは間違いない。

文=Felix

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