高島・芦屋市長が推薦の教育委員、任命できず 元さいたま市教育長の女性 市議会が反対

芦屋市役所=芦屋市精道町

 兵庫県芦屋市議会は1日、定例会の本会議を開き、教育委員の上月敏子さんの後任に元さいたま市教育長の細田真由美さんを任命するとした市の案を賛成少数で不同意とした。同市で人事関連議案が不同意となったのは、少なくとも1999年以降で初めてという。

 同市の教育委員は4人で構成されており、市長が議会の同意を得て任命。上月さんが12月に任期を終えるため、高島崚輔市長が細田さんを後任に推薦した。

 細田さんは18年6月から5年間、さいたま市で教育長を務め、今年9月に芦屋市が連携協定を結んだ東京大学公共政策大学院の講師も務めている。

 本会議では、あしや政風会と公明党の計7人が同意案に賛成し、共産党と日本維新の会、芦屋しみんの未来、無所属の計10人が反対、至誠会の3人が棄権した。反対討論では4議員が「遠方に住んでいて、月2回の委員会活動、市内の行事への参加などが困難ではないか」「他にも多くの役職を務められているので、芦屋の教育が最優先されるかが疑問」などと理由を述べた。

 高島市長は神戸新聞社の取材に対し「質の高い教育には専門分野のトップレベルの人に力を貸してもらう必要がある。同意されず、子どもたちに申し訳ない」と話した。(村上貴浩)

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