冬は要注意「ドライマウス」 対策を専門家に聞く 「グミやガムを生活に取り入れる」「口呼吸を減らす」

テレビ愛知

空気が乾燥する季節、なんだか口の中が乾く、食べ物が飲み込みにくいと感じていませんか。もしかしたら「ドライマウス」かもしれません。放っておくと虫歯や歯周病など病気につながる可能性もあります。ドライマウスの原因と対策について専門家に話を聞きました。

■ドライマウスになる可能性が高い症状
・口の中が乾燥
・ねばねばする
・食べ物が飲み込みにくい
・ろれつが回らない
・舌がひりひりと痛む
・口臭が気になる

欧米では4人に1人がドライマウス

ドライマウスとは、唾液が少なくなって口の中が乾燥する状態のこと。これにより口の中の粘りや舌の痛み、口臭などを感じることがあります。欧米の疫学調査によるとアメリカでは人口の約25%、4人に1人がドライマウスの患者だとされています。

斎藤さんによると、日本でも同じほどの割合の人が口の中に何らかの違和感を持っているとみられるといいます。

左:正常な舌 右:ドライマウス患者の舌

ドライマウスの症状が分かりやすい画像を見てみます。左が正常な舌で右がドライマウス患者の舌です。右は表面が平らで突っ張っているように見えます。唾液が少なく舌の表面を覆う水分が足りていない状態です。これがドライマウスの目に見える特徴の1つです。

空気が乾燥している冬の時期は要注意

ドライマウスの原因

斎藤さんによると、加齢やストレス、薬の副作用で症状が現れることが多いそうです。そして冬の時期は要注意。空気が乾燥しているので口の中も乾きやすくなります。斎藤さんは「マスクの着用でドライマウスになる可能性がある」と話します。

マスク着用でドライマウスになる可能性も

マスクを着けると鼻で呼吸がしづらく、口呼吸になりやすいです。口から空気が出入りすることで口の中が乾燥し、ドライマウスを誘発することがあるといいます。さらにドライマウスを放っておくとさまざまなリスクがあります。

唾液の量が減ると、口内炎や歯周病などにつながる

ドライマウス放置のリスク

唾液には細菌の増殖を抑える役割があるので、唾液の量が減ると口内の細菌が増えます。これにより口内炎や虫歯、歯周病などにつながるほか、口の中の細菌が肺に入って炎症を起こす「誤嚥性肺炎」になるケースも報告されていて、最悪の場合、命を落とすこともあるといいます。

ドライマウスの対策方法は?

口呼吸減らすことが大切

斎藤さんはドライマウスの対策として「唾液の分泌量を増やし、口呼吸を減らすことが大切」といいます。まず唾液の分泌量を増やすためには、口をよく動かすことが大事です。食事を良く噛んで食べたり、噛み応えのあるグミやガムを生活に取り入れたりして唾液の分泌を促しましょう。

症状が気になる方は歯科医院の受診を

就寝時の口呼吸に要注意

そして口呼吸を減らすためには、意識的に口を閉じることが大事です。特に注意したいのは寝るとき。口の中央に縦にテープを貼って寝ると、口呼吸を防ぐことができます。かぶれにくい口呼吸予防用のテープも薬局で販売されているので活用してください。

斎藤さんは、人によってドライマウスの原因や治療方法が異なるので、症状がひどい場合は歯科医院の受診をすすめています。ドライマウス研究会のホームページには専門的な知識を持った歯科医師のいる歯科医院が掲載されているので、口の乾燥などが気になる方はこちらをチェックしてみてください。

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