「なんとかして困っている女性に手を差し伸べられないか」“処方箋なし”で緊急避妊薬の試験的販売始まる プライバシーに配慮

意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」。利用するには、医師の処方箋が必要ですが、今週から一部の薬局で「処方箋なし」での試験的な販売が始まりました。

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<薬剤師>
「こちらが中に、カーテンで仕切ってある、ここのブースで問診票というかチェックをいろいろさせていただく」

緊急避妊薬を試験販売する薬局では、プライバシーに配慮した対応をしています。

意図しない妊娠を防ぐための「緊急避妊薬」は、性行為から72時間以内に服用することで、妊娠を8割程度防ぐことができるとされています。

利用するには、「医師の処方箋」が必要ですが、11月28日から全国145の薬局で「処方箋なし」での試験販売が始まりました。

<薬剤師>
「こちら、販売するにはいくつかの確認事項があり、それに同意する方にのみ(利用を)お願いしている。すべてがOKになれば販売し、この場で飲んでもらう」

静岡県内では、静岡市の3か所の薬局が対応していて、「医師の診察」や「処方箋」の代わりに、薬剤師が薬の服用条件や同意を確認します。「服用可能」と判断すれば、その場で飲むことが条件です。

購入できるのは、調査研究への参加に同意した16歳以上の人で、販売価格は、7000円から9000円程度です。

今回、薬局での試験販売が始まった背景とはー

<静岡県薬剤師会 小笠原俊拓常務理事>
「なんとかして世の中の困っている女性に手を差し伸べられないかということで調査をしている」

避妊薬を利用する理由はさまざまで、病院に行きづらく声を上げづらい人がいるのも実情です。

そのため、厚生労働省は意図しない妊娠を防ぐため、緊急避妊薬を適切に利用できる仕組みを検討する調査を始めたのです。

<静岡県薬剤師会 小笠原俊拓常務理事>
「すぐに市販化すると、正しい服用の仕方、服用後に何かあった時の対処療法が分からないままの販売は危険。そのために段階を踏む」

試験販売は、2024年3月までの予定で詳しい条件などは、日本薬剤師会の公式サイトで確認できます。

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