干支にちなみ「辰車」 からくり仕掛けの神戸人形 ユーモアあふれる舌の動き 六甲山木材を初使用

来年の干支「辰」にちなんだ神戸人形。滑らかな動きで新年へ-=神戸市東灘区住吉山手8

 100年超の歴史がある木製からくり人形「神戸人形」を手がけるウズモリ屋(神戸市東灘区)が来年の干支(えと)にちなんだ「辰車(たつぐるま)」を発売した。車輪に連動して竜の舌が動く仕掛け。六甲山の木材を初めて使うなど、より神戸らしさにこだわった作品となっている。

 神戸人形は明治半ばに誕生。ユーモアあふれる動きと、仕掛け部分も全て手作業による精密な工芸品として、来日外国人に人気を博した。戦後は断絶と復興を繰り返し、1995年の阪神・淡路大震災で途絶えた後、2015年に人形劇美術家の吉田太郎さん(54)の手で復活した。

 干支の人形制作は7年目。毎年、神戸人形特有の多種多様なからくりが特徴で、今回は、戦前には定番の一つだったという「車もの」と呼ばれる仕掛けを施した。材料には六甲山のナナミノキの間伐材を使った。

 「毎年楽しみにしてもらい、作り手としてうれしい。神戸人形らしい滑らかな動きを楽しんで」と吉田さん。1体7700円(税込み)。ウズモリ屋の通販サイトや日本玩具博物館(姫路市)のほか、26日から神戸・元町商店街の「本高砂屋」で扱う予定。ウズモリ屋TEL078.846.2196(日曜休み、午前10時~午後5時) (中西幸大)

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