2カ月ぶり再開の宝塚大劇場 新理事長が観客に謝罪 終演後は雪組トップ彩風咲奈「心から感謝」

2か月ぶりに公演が再開された宝塚大劇場。多くのファンが詰めかけた=1日午後、宝塚市栄町1(撮影・長嶺麻子)

 宝塚歌劇団(宝塚市)は1日、団員の女性(25)が急死した問題を受けて中止していた本拠地・宝塚大劇場での公演を2カ月ぶりに再開した。同日付で、同歌劇団の木場健之理事長と宝塚音楽学校の角和夫理事長が辞め、両組織の新理事長に村上浩爾氏が就任。開演前に客席に向け「大変ご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 急死した団員女性は宙組に所属し、9月末に宝塚市のマンション敷地内で死亡しているのが見つかった。自殺の可能性が高いとみられる。遺族は過重労働やパワハラが原因と訴え、補償と謝罪を要求。歌劇団側はパワハラを否定している。

 歌劇団は10月1日から、大劇場で上演中だった宙組公演を中止。この日開幕した雪組公演は、3週間遅れで初日を迎えた。

 村上理事長は就任当日の会見を拒否し、客席にだけあいさつした。雪組トップスターの彩風咲奈さんは終演後、観客に「今日までお客さまが待ってくださり、劇場に来てくださったことに心から感謝の気持ちでいっぱいです」と述べた。

 観劇した女性(69)は「歌劇団は団員を『生徒』と呼ぶ割に大きな負担をかけ過ぎてきた。慣習を見直し、風通しを良くする契機にしてほしい」と話した。(小尾絵生)

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