子育て極意は「自己肯定感」 ネガティブ思考を受け流す術は 不登校支援団体が講演

自己肯定感を持つポイントを解説する原さん(亀岡市余部町・ガレリアかめおか)

 子育て中で思い通りにいかない時、どうやってメンタルを保てば良いのか。「大丈夫!それでいいんだよ!―こころのメンテナンスをして子育て人生を輝きに変える」と題した講演会が、ガレリアかめおか(京都府亀岡市余部町)であった。不登校支援などに取り組む「きずなLabo」(大津市)の原敏子代表が、人間の感情の仕組みや自己肯定感を高める方法などを親たちに紹介した。

 原さんは冒頭、自身の息子がかつて登園拒否や不登校だったことを明かした。「誰かに相談すれば、駄目な親だと思われてしまう」と抱え込んで「自分の子育ては間違っている」と追い詰められていた状況を語った。その経験から、自己肯定感を持つ大切さに気付いたという。

 人間の感情は「快(ポジティブ)」と「不快(ネガティブ)」の2択で、シーソーのように揺れ動くことを説明。「この揺れをいかに抑えるかが重要だ」と指摘した。

 また、ある研究によると、1日約6万回思考していて、うち4.5万回はネガティブな感情という。原さんは「人間は自分の身を守るために『ネガティブアンテナ』を持っている。ただそれだけと受け流してもらえれば」と話した。

 自分や子どもの自己肯定感を高める方法として「褒められること」を挙げた。具体的には「頑張っているね」と笑顔で伝え合ったり、相手の名前を付け加えて良さを言葉に出したりすることが効果的とした。

 人間には新しい物事をしようとする成長欲があり、「うまくいかず壁にぶつかった時、『上ろう』と思えれば自己肯定感につながる」と指摘。例として、レストランで子どもから激辛カレーライスを注文したいと言われた時には「初めから『無理だ』と否定せずに挑戦させてほしい。食べられなかった経験も、自己肯定感や成長につながる」とアドバイスした。

 講演は亀岡、南丹市の私立幼稚園5園の保護者らでつくるPTA連合会の研修会の一環で、11月9日に開かれた。約110人が参加した。

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