12月権利確定の【配当利回り】ランキング、不動産系企業が2社ランクイン

新NISAを来年に控え、高利回りを取っていくインカムゲイン狙いの銘柄も注目されているようです。高配当利回りの銘柄を選ぶことにはメリットとデメリットがあります。


高利回り銘柄のメリットとデメリット

メリットとしてはまず安定した収益が上げられます。高配当銘柄は通常、安定した収益を提供しやすい傾向があります。これは、企業が利益の一部を株主に配当として支払うことに積極的である傾向があるからです。高利回りの銘柄は安定したキャッシュフローを持つことも少なくありません。また思惑と外れて株価が下落しても持っているだけで配当がもらえるので、我慢しやすいという面もメリットといえそうです。高利回り銘柄をポートフォリオに含めることで、リスクを分散することができます。これは、投資全体の安定性を向上させる助けになります。

しかし、高配当利回りの銘柄を選ぶ際にはデメリットにも注意する必要があります。まず、高利回りを維持できるのかという問題があります。企業が高い配当を維持できない場合や、維持できないと株価が大きく変動する可能性があります。また企業が高い配当を維持するために企業が利益を再投資する余裕がない場合、株価の上昇が制約される可能性もあります。加えて銘柄によっては金利の変動に影響を受けることがあります。金利が上昇すると高配当銘柄の魅力が低下する可能性があります。

今回は、2023年11月29日(水曜日)現在のデータをもとに、12月権利確定銘柄の配当利回りトップ5を紹介します。(中間配当が12月でも、中間配当が出ていない企業は除いています)。

【1位】あおぞら銀行(8304)

1957年に設立され、2001年に現在のあおぞら銀行に行名を変更。預金・債券や貸出、シンジケートローン、証券化、事業再生や投資アドバイスなど様々な金融商品・サービスを提供しています。富裕層に特化した資産運用コンサルティングなどターゲットを絞った戦略を取り、超低金利の時代で、普通預金年0.2%(BANK口座)という高金利を実現していました。メガバンクに比べると知名度は低いものの、日本国内に20本支店を展開し、メガバンクでもない地域金融機関でもないユニークなポジションの銀行を目指しているよう。国内だけではなく海外展開も。

企業名:あおぞら銀行
株価:3,038円
最低投資価格:30万3,800円
配当利回り(予想):5.06%

【2位】JT(2914)

国内たばこ事業がコア事業。130以上の国と地域でたばこ製品を販売しているシェアが強み。「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」など有名かつ世界的なたばこブランドを保有しています。紙巻きたばこだけでなくリスク低減製品(RRP)にも注力していく模様。1987年より医薬事業に進出しており新薬作りに取り組むほか、冷食・常温事業と調味料事業の加工食品事業も手掛けています。配当益期待が大きい銘柄としても有名な企業です。

企業名:JT
株価:3,778円
最低投資価格:37万7,800円
配当利回り(予想):4.97%

【3位】アーバネットコーポレーション(3242)

1997年に建築の設計、不動産の売買・仲介を主な事業として設立した不動産企業。投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(専有卸し:BtoB)という独自性のある不動産開発販売事業を主軸としています。都内23区内を中心とした賃貸需要の高い地域で駅から徒歩10分以内の用地を基本とする好立地へのこだわりによる他社との差別化や、効率的な経営にも取り組んでいます。2020年にホテル・サービス業界への販売先多様化を目的に、ホテルを竣工保有するなど事業の多様化を図っているとのこと。親会社株主に帰属する当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の40%を配当することを基本方針としており、2024年6月期の業績予想が増収増益だったことで増配しています。

企業名:アーバネットコーポレーション
株価:413円
最低投資価格:4万1,300円
配当利回り(予想):4.84%

【4位】ハウスフリーダム(8996)

1995年設立の大阪、福岡に展開する不動産企業。不動産仲介事業、新築戸建分譲事業、建設請負事業、不動産賃貸事業、損害保険代理事業を手掛け、新築・中古、一戸建・マンションなど多彩なタイプの物件を揃えています。注文住宅で土地探しから設計、お見積もりや土地・建物含めたローンの相談まで、住み替えの場合は住まいの売却と購入を並行して同じ担当者に相談できる「ワンストップサービス」が強みです。11月10日に発表した2023年12月期の第3四半期決算は増益で経常利益は39.8%増と好調。

企業名:ハウスフリーダム
株価:916円
最低投資価格:9万1,600円
配当利回り(予想):4.36%

【5位】ローランド ディー.ジー.(6789)

静岡県にあるものづくり企業で、業務用の大型インクジェットプリンターや歯の詰め物や被せ物を削り出す3D切削加工機など、技術力のある製品を展開している企業。
世界200以上の国に製品やサービスを提供しており、売り上げも海外向けが約9割を占めています。世界で高いシェアを誇る製品を持っている製品群や、現地市場や文化に即した顧客対応をできる現地スタッフも強み。足元の決算は軟調で2023年12月期の第3四半期決算は減収減益であることはご注意を。

企業名:ローランド ディー.ジー.
株価:3,580円
最低投資価格:35万8,000円
配当利回り(予想):4.28%


いかがでしたか。
高配当銘柄は収益を安定させる一方で、リスクも伴います。投資家は自身のリスク許容度と投資目標に合わせて、ポートフォリオに高配当銘柄をどれだけ含めるかを検討する必要があります。また、個々の銘柄の選択においても、企業の財務健全性や将来の配当の持続性を評価することが重要です。
また権利確定前には特に人気の高配当利回り銘柄は割高になっていたり、その反動で配当落ち後の下落も予想されるので売買の際には頭に入れておいてください。
この連載が少しでもあなたの投資の参考になれば幸いです。

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※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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