利上げ終了判断「時期尚早」 米FRB議長、市場けん制

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=11月9日、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1日の講演で、高インフレを抑えるのに十分な水準まで政策金利を引き上げたかどうかは「結論付けるのは時期尚早だ」との考えを示した。昨年3月から始まった利上げ局面が終わったとの金融市場の見方をけん制した。

 12~13日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)では金利を据え置くとの見方が優勢だ。市場の関心は利下げの開始時期に移っているが、パウエル氏は開始時期を推測するのは「早すぎる」と述べるにとどめた。

 会合ごとに経済指標を踏まえて判断するとの立場を改めて示し「適切ならば金融政策をさらに引き締める用意がある」と言及した。

 また、足元で物価上昇率が縮小傾向になっているのは「歓迎すべきこと」としながらも、「(FRBの)2%の目標を達成するためには継続して(物価下落が)進展しなければならない」と慎重な姿勢を維持した。

 物価高の一因となっている賃金上昇率は「依然高いものの、物価上昇率2%に見合う水準に向けて徐々に移行している」との見方を示した。

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