「区間賞を取ってつなぐ」「勝利に貢献する」箱根駅伝へ気合 国学院大の2人は沖縄出身 中学時代から切磋琢磨、県内で合宿中

 来年1月2、3日の両日に行われる第100回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)に向け、昨年総合4位の強豪、国学院大学陸上競技部が4日まで沖縄県国頭村で合宿を行っている。ともに県立北山高校出身の2年、上原琉翔(20)と嘉数純平(20)も主力メンバーとして参加し、同校悲願の初優勝に向けて、精力的に練習を積んでいる。(平良吉弥)

 上原、嘉数はともに那覇市出身。仲井真中から北山高校に進学し、1年から全国高校駅伝に出場。3年時には県勢の過去最高順位(30位)を40年ぶりに塗り替える27位に入った。

 国学院大に進学後、上原は股関節や腰のけがに苦しんだが、回復後の今年の箱根駅伝では1年生で復路7区(21.3キロ、小田原~平塚)を走り、区間6位の記録で一時、同大を3位に浮上させる快走を見せた。

 「大学三大駅伝」の今季初戦、10月の出雲全日本大学選抜駅伝では1区(8キロ)を任されて区間3位、11月の全日本大学駅伝では3区(11.9キロ)で区間3位と、エース級の活躍を続けている。

 上原は「全日本では各校のエース級と互角に戦えたのでとても自信が付いた」と手応えを感じている様子。箱根駅伝では1区(21.3キロ)での出場を目指し、調整している。

 「箱根ではチームは3位以内が最低限の目標で、優勝を目指す。節目(第100回)の大会で1区を走り、区間賞を取って2区につなぎたい」。トップで同校エースの平林清澄(3年)にたすきをつないで、先行逃げ切りでの優勝を思い描く。

 嘉数は今年の箱根駅伝ではエントリー選手16人に入ったが、本番は控えに回った。2月の香川・丸亀国際ハーフマラソンでは、沖縄県記録を17年ぶりに更新する1時間2分18秒の快走。出雲駅伝は出場しなかったが、全日本大学駅伝では6区(12.8キロ)を区間5位で走るなど、着実に実績を積み重ねてきた。

 長距離区間での活躍が期待される嘉数は「全日本から調子の良い状態が続いている。箱根ではもう一段ギアを上げて好タイムで走り、チームの勝利に貢献したい」と力を込める。

 二人は仲井真中からの同級生であり、互いに切磋琢磨するライバルでもある。苦楽を共にしてきた嘉数に上原は「いつかは二人でたすきをつないで走りたい」と話す。嘉数も上原を「ライバルで、仲間でもある」と評し、「二人の選手が同じ大学で同時に箱根を走るのは沖縄で初めてだと思う。沖縄の陸上の歴史を塗り替えたい」と語る。

 前田康弘監督は「上原はまだ十分に力を出し切れていないが、非常に高い能力を持っている。嘉数も高いレベルの選手。2人とも2年生で伸びしろもある。国学院を背負って立つ選手、大学トップの選手になってほしい」と期待を寄せている。

箱根駅伝に向け、合宿で走り込む国学院大の嘉数純平(右から2人目)と上原琉翔(同3人目)=国頭村内(小宮健撮影)
箱根駅伝の目標を語る上原琉翔
箱根駅伝に向け、抱負を語る嘉数純平

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