次世代型養殖で水産業活性化へ 征矢野教授ら講演 長崎大リレー講座

「養殖によって長崎を再生する」と題して講演した征矢野教授=長崎大

 本年度の長崎大リレー講座「これからの長崎の話をしよう」の第2回講座が30日夜、長崎市文教町の同大中部講堂であり、同大海洋未来イノベーション機構長の征矢野清教授と十八親和銀行地域振興部の百崎浩之部長が本県の水産業振興について話した。
 征矢野氏は「養殖によって長崎を再生する」と題して講演。年間を通じて多様な魚が捕れる本県の状況を「他県から見るとうらやましいくらいだが、地域活性化の武器にできていない」と述べ、魚を活用して観光客の呼び込みに成功している富山県の事例などを紹介した。
 安定的な水産業の持続には「捕る漁業と養殖の両方が必要」と指摘。こうした課題の解決に向けた取り組みとして同大などが県内に養殖ブリの一大生産・販売拠点をつくる産学官連携プロジェクト「ながさきBLUEエコノミー」について解説した。
 百崎氏は先端技術を活用し、養殖魚の成長度の把握や給餌量の最適化などを図る「スマート養殖」を紹介。産学官と金融機関の連携で安定的な資金調達につながる可能性などについて述べた。
 リレー講座は同大主催、長崎新聞社共催で全4回。次回は18日午後6時から同講堂でSUMCO TECHXIVの橋本岳秋総務部長と同大大学院工学研究科の大島多美子教授が半導体について講演する。

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