【大田原】寺町の彫刻屋台収納庫と公民館が移転完成し、自治会「寺町振興会」は11月26日、現地で竣工(しゅんこう)式・落成式を行った。これまでの収納庫は狭く、屋台の出し入れに神経を使っていただけに、建て替えは地元の念願。来春の「大田原屋台まつり」に懸ける思いに弾みがつきそうだ。
寺町は現在の大字で山の手1、2丁目など。県道大田原芦野線沿いにあった公民館は道路拡幅に伴い、山の手1丁目の市道(寺町通り)沿いに移転新築することになった。合わせて別の場所にあった収納庫も同じ敷地に移転新築した。新築費用は公民館が県の補償費で、収納庫が地元の寄付と市補助金で賄った。
寺町は屋台まつりを担う9町の一つ。その屋台は大正初期の作で幅約2メートル、奥行きは進路のかじを取る「かじ棒」を入れ約6メートル、高さ約4メートルで、旧来の収納庫は納めるのに、ぎりぎりの大きさだったという。
新たな敷地は約540平方メートル。収納庫は幅約6メートル、奥行き約7メートルとなり、ゆとりを持って出し入れできるという。一方、公民館は床面積約160平方メートルの平屋で、バリアフリー構造。これまで収納庫と公民館が離れており、屋台まつりの直会(なおらい)(会食)などを考えると、併設が望まれていた。
竣工式・落成式には9町などから約40人が出席。寺町振興会の野田力(のだちから)会長(68)は「公民館、収納庫を屋台まつり、地域活性化の中心になるよう活用したい」とあいさつ。相馬憲一(そうまけんいち)市長が祝辞を述べた。公民館の移転作業中に見つかった古い木製の「寺町自治公民館」の看板が掲げられた。
式後、屋台が町内を巡行し、収納庫に入るのを見届けた近隣住民は「こんなに立派な建物ができた」と喜びの声を上げた。