母親の胎内で被爆 原爆小頭症の被爆者たち 約3000枚の写真が新たに見つかる 原爆資料館で保存活用へ

母親の胎内で被爆した原爆小頭症の人たちの写真が新たに大量に見つかり、原爆資料館に届けられました。

これらの写真は母親の胎内で被爆し、重い障害を負って生まれた原爆小頭症の被爆者の57年前の写真です。このほど横浜市で見つかりました。

撮影したのは、広島市の重田雅彦さん(79)ら2人のカメラマンです。

1966年から71年までに撮影した約3000枚分のフィルムを、原爆資料館に託しました。

当時、東京の大学で写真を学んでいた重田さんは、書籍で原爆小頭症について知り、関係者らの許可を得て、友人の菅沼清美さんと一緒に撮影したということです。

撮影した重田雅彦さん
「胎内にいた彼らがどうしてこういうことになったのか、原爆の脅威を今の世の中に伝えたいていきたいという思いが当時あった」

原爆小頭症の家族はほとんどがメディアの取材を拒んできたため、家庭内に入って撮影された1960年代の写真は多くはありません。

原爆資料館によりますと、小頭症被爆者と家族の日常を捉えた貴重な記録であり、今後、保存と活用に向けて調整を進めるということです。

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