東海道新幹線で5人体調不良 登山客がクマ用スプレー誤噴射か

目や喉の痛みなどの体調不良を訴えた新幹線の乗客が搬送されたJR浜松駅=2日午後9時27分、浜松市

 2日午後7時15分ごろ、JR浜松駅に停車していた岡山発東京行き東海道新幹線「ひかり518号」の車内で、乗客5人が目や喉の痛みを訴えた。静岡県警によると「スプレーがまかれた」との110番があり、20代と30代の女性が救急搬送された。全員症状は軽い。県警はクマ撃退用スプレーが誤って噴射されたとみている。

 県警によると、浜松駅で登山帰りとみられる乗客が乗車。この乗客が持っていたスプレーに何らかの衝撃が加わり、噴射された可能性があり、県警が詳しい状況を調べている。消防によると、5人は全員女性で、7歳の子どもも含まれるという。

 JR東海によると、車内の非常ブザーと駅の非常ボタンが押された。ひかり518号は浜松―東京間で区間運休。乗客は全員浜松駅で下車した。

 浜松駅前は駆け付けた消防隊員らが慌ただしく出入りし、黄色い規制線が張られるなど、騒然とした雰囲気だった。

 出張を終え、東京に帰るため浜松駅にいた男性(51)は「ニュースを見て、これから乗るのが少し怖くなった」と不安な表情で話した。

目や喉の痛みなどの体調不良を訴えた新幹線の乗客が搬送されたJR浜松駅=2日夜、浜松市
JR東海本社にあるロゴマーク=2020年9月

© 一般社団法人共同通信社