吉祥文様描かれた白竜に願い込め 新年に向け「辰」の黒羽藍染 大田原で壁掛け作り最盛期

天日干しされる「辰」のデザインの藍染めの生地=2日午前10時15分、大田原市黒羽向町

 来年の干支(えと)「辰(たつ)」を描いた壁掛け作りが、栃木県大田原市黒羽向町の藍染め店「紺屋」で最盛期を迎えている。

 黒羽藍染の壁掛け作りは今年で51年目。那珂川沿いの作業場では2日、県伝統工芸士で8代目店主の小沼雄大(おぬまゆうた)さん(38)が染め付けた約8メートルの生地を広げ、天日干しにした。生地は乾かした後、縦約77センチ、横約47センチに切り分けて仕上げる。

 辰にちなんだ縁起の良いデザインで、繁栄などを祈る吉祥文様を体に入れた白竜を描き、竜のそばの二つ円には円満な生活が送れるようにとの願いを込めた。小沼さんは「物価高など苦しいこともあるが、皆さんが楽しく過ごせることを祈り、試行錯誤を重ねてデザインした」と話した。

 壁掛けは店頭やオンラインショップで販売している。

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