「生理の貧困」解消へ用品設置 中学校トイレで実験、対象拡大や恒久化も検討

生理用品が設置された城南中学校の女子トイレ。奥のケースに入っている(京都府舞鶴市京田)=舞鶴市提供

 経済的理由や家庭環境による子どもたちの「生理の貧困」への取り組みとして、京都府舞鶴市は中学校2校の女子トイレに生理用品を置く実証実験を始めた。生徒へのアンケートも行い、対象の拡大や恒久化も含めて検討するという。

 2校は城南中学校と青葉中学校で、城南中学校には11月9日に設置、青葉中学校には11月下旬に置いた。約9000個の生理用ナプキンを用意し、期間は2024年2月ごろまでを見込む。購入費用の一部を国際ソロプチミスト舞鶴が支援した。

 「生理の貧困」対策として舞鶴市は同団体と連携し、昨年度から市役所や中総合会館の一部女子トイレに生理用品を設置している。小中学校では保健室で希望者に配布しているものの、「衛生面や管理面に課題がある」としてトイレへの常備はしてこなかった。

 舞鶴市の人権啓発推進課は、市役所などへの設置で女性のニーズが大きいことを確認できたとし「子どもたちにも機会を増やしたい」と実証実験を決めた。衛生面などの課題についてはケースに入れることで対応する。

 併せて行う生理の悩みや実証実験についてのアンケート結果も踏まえ、市内全校への拡大や恒久化を含めて来年度以降の取り組みを検討するという。

 京都府北部では与謝野町が町内の全3中学校で既に設置し、京丹後市は今年の2学期から峰山中学校で試行設置している。

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