農業をより身近に 石橋北小で「誠和」が出前授業 トマトの歴史など解説

出前授業の様子

 【下野】トマトなどの施設園芸を支援する農業資材メーカー誠和(柴)はこのほど、石橋北小で食育に関する出前授業を行い、5年生がトマトの歴史や農業の技術について学んだ。「市食育・地産地消推進計画」の一環として、同社が本年度から本格的に取り組んでいる。

 子どもたちに農業を身近に感じてもらい、食物生産への関心を高める狙い。同社社員が希望のあった市内の小学校に出向き、社会科の時間で授業を実施する。

 4校目の出前授業となった石橋北小では、5年生2クラスの計38人が参加し、同社の加座健士郎(かざけんしろう)室長(35)が講師を務めた。加座さんは「トマトは夏野菜だが、日本のトマトはほとんど農業ハウスで栽培されているため、季節に関係なく食べられる」と解説。

 さらに「1600年代にヨーロッパから伝来した当時は『悪魔の実』と呼ばれ、トマトは観賞用植物だった」「現在の技術を使い、スマートフォンでハウス内の光や温度を調整したり、換気したりできる」などと子どもたちに分かりやすく説明した。

 大地悠斗(おおちゆうと)君(11)は「昔の人々はトマトを食べなかったと知って驚いた。トマトは大好きなので、パスタソースやサラダにして食べたい」と話した。

 その後の給食では、小金井のトマト栽培施設「トマトパーク」で生産されたトマトで、市内のイタリアンレストランが考案した特別献立「鶏肉のフレッシュトマトソースがけ」が提供された。

 加座さんは「前のめりで授業に参加してくれた児童が多かったと感じる。これからも食育授業を続け、若年層の農業に対する理解をより一層深めたい」と話している。

特別給食として出された「鶏肉のフレッシュトマトソースがけ」

© 株式会社下野新聞社