【MLB】MLBのウインターミーティングとは? 大谷の契約が決まる可能性も あす夜頃から始動 

写真:モニアックとネトと話す大谷翔平©Getty Images

日本時間あすの夕方から夜にかけて、現地時間でも12月4日になり、MLBではオフの一大イベントの幕が開ける。球界関係者が一堂に会するウインターミーティングが開催されるのだ。

今年は史上最高額契約を確実視される大谷翔平、そして激しい争奪戦が行われている山本由伸など、複数の日本人選手が"主役級"の役割を演じることになりそうなウインターミーティングについて、今一度おさらいしておこう。

今年のウインターミーティングはテネシー州ナッシュビルにて3日間(現地12/4~12/6)行われる。たいていこの12月初旬に、3日間にもわたって、球団幹部・代理人・リーグ関係者・メディアがひとつの都市(ひとつのホテル)に集合する。

主にウインターミーティングで行われることは、オフシーズンの移籍交渉だ。球団は代理人と連絡を取り、球団同士でトレードの話し合いを行う。普段よりも"密"にそして長く時間をかけられるため、交渉は進みやすく、ウインターミーティングでは毎年多くの動きが生まれている。

昨年はヤンキースがジャイアンツとの激しい争奪戦の末、アーロン・ジャッジと9年3億6000万ドルで再契約に成功。6年前には巨額の契約を結んでいたジャンカルロ・スタントンをマーリンズからヤンキースに送る大型で複雑なトレードも成立したことがある。

さらにウインターミーティングでは大物選手が動くだけではなく、多くのイベントが行われる。

現地5日には、ドラフトロッタリーが行われる。ロッタリーではプレーオフに進出できなかった球団がくじ引きによって、来季のドラフト1巡目の指名順位を決める。今季の勝率が低い順に全体1位を獲得できるチャンスは高い確率に設定されており、低迷中のチームのファンにとっては時に残酷、しかし必見のイベントとなる。日本時間では6日の朝7時30分より中継が行われ、『MLB.com』のサイトからチェックすることができる。

そして、最終日にはルール5ドラフトが行われる。ルール5ドラフトとはある一定の期間マイナーでプレーして未だに40人枠外の選手を対象としたドラフトのこと。プロ野球の「現役ドラフト」の本家であり、選手の飼い殺しを防ぐ制度だ。過去にはサイヤング賞左腕ヨハン・サンタナ(ツインズなど)やライアン・プレスリー(アストロズ)もルール5ドラフトから見出されてブレイクを果たしている。

活発なトランザクションが行われる裏では、ウインターミーティングは球界で働きたい者たちにとってのチャンスの場でもある。事実、ウインターミーティングにはフロントで働くことを目指すデータアナリストをはじめ、マイナーの球団職員、アナウンサー志望の者など、多くの人々が面接の機会を狙って集っている。

このようにすさまじい規模で執り行われるのがウインターミーティングなのだ。大谷は「ウインターミーティング中に契約する」と見る記者も多く、今年のウインターミーティングはとりわけ注目が集まっている。眠い目をこすりながらウインターミーティングの動向を追うのもまた一興かもしれない。

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