中村哲さんの生き方伝えたい 母校の後輩らSNSで発信

アフガニスタンのガンベリ砂漠の岩山に立ち、用水路工事の陣頭指揮を執る中村哲さん=2008年6月(共同)

 福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の現地代表で、アフガニスタンなどで人道支援に尽力した医師中村哲さん=当時(73)=が凶弾に倒れてから4日で4年となる。母校・福岡高の卒業生らでつくる「ペシャライト」は、その生涯を交流サイト(SNS)で発信している。目の前の命に向き合った生きざまを同世代に伝え、「誰かが一歩を踏み出す勇気につなげたい」と考えている。

 「ペシャライト」メンバーは東京、京都、福岡の大学生や高校生ら6人。アフガンで干ばつ被害を目の当たりにした中村さんが、用水路を造り、農業を復興させた軌跡を写真やイラストを交えて紹介。アフガンの食事や衣服など文化についても解説している。

 発起人で九州大1年の辺見紗来さん(19)は「中村先生は大きなことを成し遂げようとしたわけではなく、『自分のできることをやる』という謙虚な姿勢で活動に取り組んでいた」とみる。その考え方に学び、実践することで「社会はもう少し明るくなるはず」と力を込める。

© 一般社団法人共同通信社