ひき逃げで市職員死亡、57歳男逮捕 青森・五所川原市 市長「痛恨」

死亡ひき逃げ事件が発生した五所川原市一ツ谷の現場付近=3日午前7時20分過ぎ

 3日午前0時40分ごろ、青森県五所川原市一ツ谷の市道で、同市松島町8丁目の地方公務員山谷祥文さん(54)が路上に倒れているのを通りかかった人が発見し、110番通報した。山谷さんは心肺停止の状態で市内の病院に搬送されたが、同3時23分に死亡が確認された。五所川原署と県警交通指導課、機動捜査隊は同日、山谷さんをはねて死亡させ、逃走したとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道交法違反(救護措置義務違反、事故不申告)の疑いで、同市松島町6丁目、トラック運転手の男(57)を逮捕した。

 同署によると、容疑を認めている。

 現場は五所川原第一中学校北側の片側1車線の見通しの良い直線道路。容疑者は同市布屋町方面から漆川方面へ軽乗用車で走行していたという。山谷さんが交通事故の外傷で死亡した可能性が高かったことから、同署がひき逃げとして捜査していたところ、前部分が破損した軽乗用車を発見。容疑者に事情を聴き、容疑が固まったことから逮捕した。

 死亡した山谷さんは同市教育委員会の社会教育課スポーツ振興室長。佐々木孝昌市長は、事件発生を受け「有能な職員を失ったことは誠に痛恨の極み。故人のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、一刻も早い事件の解明を望む」とのコメントを発表した。

 現場の市道では、9月にも近い場所で交通死亡事故が発生している。五所川原交通安全協会松島町支部の岩谷博支部長は「9月に当支部区域内で26年ぶりに交通死亡事故が発生し、今回ほぼ同じ場所で再び死亡事故が起きたことに大変驚き、残念な思いだ」と述べた。

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