「温かいブーイングありがとう」古巣浦和サポーターにも言及、スパイクを脱ぐ“天才”小野伸二が引退スピーチ「心残りはタイトル」「サッカーを愛し、楽しんでサッカーを続けていく」

26年間のプロ生活を終えた小野伸二[写真:©︎J.LEAGUE]

現役ラストマッチを戦った北海道コンサドーレ札幌の元日本代表MF小野伸二が、引退スピーチを行った。
【動画】現役引退の小野伸二がラストスピーチで感謝のメッセージ

3日、明治安田生命J1リーグ最終節が行われ、札幌はホームに浦和レッズを迎えた。

小野はJ1での先発は清水エスパルス時代の2012年7月28日横浜F・マリノス戦以来11シーズンぶり。2014年に加入した札幌では、リーグ戦で初めての先発出場となった。

キャプテンマークを巻き、2シャドーの一角で先発した小野。ゲームメイクの他、タイミングを見計らったループパスや、FKからのクロスなど20分という短い出場時間で小野らしさを見せ、スパチョークと交代した。

古巣の浦和が相手ということもあり、浦和のサポーターも大挙して駆けつけた中、交代時には万雷の拍手が送られた。なお、試合は浦和が0-2で勝利していた。

試合後、現役ラストマッチとなった小野がピッチ上でスピーチ。浦和のファン・サポーターにもメッセージを送り、多くの人々への感謝の気持ちを述べた。

「まずは浦和レッズサポーターのみなさん、今日は温かいブーイングありがとうございます」

「ミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)の挨拶の時に色々ありましたが、こう見えてもミシャさんは浦和レッズが大好きです。1つお願いがあります。どんな時でも、どんな人に対してもリスペクトということだけを忘れないでください。よろしくお願いします」

「そして北海道のみなさん。スポンサー企業のみなさん。北海道コンサドーレ札幌、クラブ、監督、コーチングスタッフ、メディカルスタッフ、用具係、そしてグラウンドキーパーのみなさん。たくさんの方に僕は支えられて、このピッチに立てる今日がありました。本当にありがとうございます」

「2014年の夏に北海道の地に来てから、僕自身はトータル7シーズンですかね。過ごさせてもらいました。今日映像に少なくあったように、大した記録は出していません。試合にもそんなに関わってなかったなと自分でも思っています。ただその中で、この札幌ドーム、厚別競技場で1得点ずつ取れたことは、自分の中でも嬉しく思っています」

「心残りは、もちろんJ1でのタイトル、自分がいる時にその夢が実現できなかったことです。本当に申し訳ございません。ただ、その中でJ2から始まり、J1を経験でき、素晴らしい選手たちと一緒に毎日サッカーをさせてもらえたこと。これは凄く僕にとっても、これからの人生にとっても宝物です。選手たちのみなさんありがとうございました」

「自分の家族、奥さん、2人の娘。こんなどうしようもないお父さんを、どうしようもない父を持って本当にごめんね。支えてくれてありがとうございます」

「AKさん(AK-69)、試合前にここの札幌ドームを熱く良い準備を整えてくれたのに、試合に負けてしまい申し訳ございませんでした。試合前から良いテンションを持って試合に臨めました。僕自身は20分間という短い時間でしたけれども、自分の持っている力を20分の中で出せたんじゃないかと思っております」

「今日でプロサッカー選手生活が終わりますけども、僕自身はこれまでと変わらず、サッカーを愛し、楽しんでサッカーを続けていくので、これからもどうぞよろしくお願いします」

「そして今日、この会場に足を運んでくれた仲間たち。みなさん力を合わせれば、こういう景色を作ることができるんです。どうぞ来シーズンも、こういう景色を残された選手たちに作ってあげてください。よろしくお願いいたします」

「最後に、みなさんには関係ないかもしれませんが、自分の母、10月17日に旅立ちました。お母さんに一言。僕を産んでくれて、そしてこの素晴らしいサッカーというものに出会わせてくれてありがとうございました。感謝しきれないほど言いたいことはあります。僕もこれから第二の人生が待っていますが、ゆっくりはしませんが、少しずつ自分の道を進みながら、もちろん北海道コンサドーレ札幌、そして日本サッカーに携わっていけるようにやっていきますので、これからの小野伸二もよろしくお願いします。今日はありがとうございました」

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