大谷コネクト開業記念、「島守の塔」上映 児童らが沖縄の伝統舞踊も披露

創作エイサーを演舞する「西が岡小エイサーチーム」

 【宇都宮】大谷町の観光周遊拠点施設「大谷コネクト」の開業を記念した「名画特別上映会in大谷」が3日、同所で開かれ、太平洋戦争末期の沖縄戦を描いた「島守の塔」を約300人が鑑賞した。会場では、小学生や有志団体による沖縄県の伝統舞踊「エイサー」も披露された。

 芸術や文化の振興を通して大谷地域の活性化を図るのが狙い。山路(やまじ)ふみ子(こ)文化財団の協力で、地元経済・観光団体などで組織する実行委員会が主催した。

 映画は、地上戦の絶望的な状況の中、市出身の沖縄県警察部長荒井退造(あらいたいぞう)らが県民救済に尽力する姿などを描いた。下野新聞社などが制作に関わり、大谷地区でも撮影が行われた。

 上映会は、大谷コネクトの中心的施設「旧大谷公会堂」(国登録有形文化財)で実施。鑑賞した中岡本町のパート従業員の60歳代女性は「本県に荒井さんのような方がいたことを誇らしく思う。多くの人に戦争の悲惨さを知ってほしい」と語った。

 屋外の多目的スペースでは、「西が岡小エイサーチーム」の児童19人と、「琉球國(こく)祭り太鼓栃木支部」のメンバーが、それぞれ創作エイサーを披露。躍動感ある踊りに、観客から盛んな拍手を浴びた。実行委員長の大久保裕之(おおくぼひろゆき)さん(49)は「大谷の魅力を発信する機会。今後も映画祭などの形で継続していきたい」と話していた。

演舞する「琉球國祭り太鼓栃木支部」のメンバー

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