池田アマ横綱 金沢学院大から初 七尾出身、栃乃洋のおい

  ●石川勢3年連続、大の里連覇に続き

 第72回天皇杯全日本相撲選手権は3日、東京・両国国技館で行われ、金沢学院大4年の池田俊(しゅん)(22)=七尾市出身=が初優勝し、アマチュア横綱の称号を手にした。第70、71回は大相撲で活躍している大の里(23)=本名・中村泰輝(だいき)、津幡町出身、日体大OB=が制しており、石川県勢の優勝は3年連続となった。金沢学院大附高OBでは幕内・遠藤らに次いで4人目、創部22年目の金沢学院大からは初の快挙となった。

 アマチュア相撲日本一を決める最高峰の舞台には高校、大学、社会人の精鋭68人が出場した。池田はトーナメント戦を危なげなく勝ち上がり、決勝は9月の全国学生個人体重別選手権無差別級を制したモンゴル出身のトワードルジ・ブフチョローン(日体大3年)をすくい投げで下した。石崎涼馬(滋賀・長浜養護学校教)と今年の学生横綱、草野直哉(日大4年)が3位に入った。

 池田は183センチ・130キロ。元横綱・輪島を輩出した七尾市出身で、元関脇・栃乃洋の竹縄親方のおいに当たる。最終学年の今年は金沢学院大の主将を務め、7月の第13回全日本大学選抜金沢大会(北國新聞社主催)で団体2連覇をけん引した。11月の全国学生選手権は個人2位で「学生横綱」を逃したものの、日本一へあと一歩に迫っていた。

 金沢学院大の現役生のこれまでの最高成績は、2016年の第65回大会で炎鵬(29)=本名・中村友哉(ゆうや)、金沢市出身、金沢学院大附高OB=が記録したベスト16だった。大学の歴史を塗り替えた池田は優勝後のインタビューで「大学生活最後の試合で日本一になれて本当に良かった。先を見ずに一番一番やれたと思う」と喜びを語った。

 今大会の8強以上は大相撲の幕下最下位格付け出し、16強以上は三段目最下位格付け出し資格を得た。池田はプロ入りせず、社会人で競技を続ける意向を示している。

 

  ●石川県勢の歴代アマチュア横綱

第6回(1957年)田畑外志雄(立命大)金沢市出身、泉丘高OB

第14回(1965年)野見 典展(和歌山県庁)七尾市出身、七尾実高OB

第15回(1966年)  〃 

第16回(1967年)  〃 

第36回(1987年)山崎 直樹(日大3年)穴水町出身、金沢高OB、元幕内・大翔山

第53回(2004年)栂木 崇行(日本通運)輪島市出身、金市工高OB

第61回(2012年)遠藤 聖大(日大4年)穴水町出身、金沢学院大附高OB、現幕内・遠藤

第62回(2013年)川端 翔伍(日大4年)大阪市出身、金沢学院大附高OB、現幕下・大翔丸

第67回(2018年)黒川宏次朗(拓大職員)高岡市出身、金沢学院大附高OB

第70回(2021年)中村 泰輝(日体大3年)津幡町出身、津幡小OB、現十両・大の里

第71回(2022年)中村 泰輝(日体大4年)        〃

第72回(2023年)池田  俊(金沢学院大4年)七尾市出身、金沢学院大附高OB

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