沖縄県うるま市の市道で散歩中の高齢男性にほえて威嚇していた闘犬種ピットブルを捕獲し、警察に引き渡したとして、うるま署(濵田哲男署長)は11月28日、北中城村の比嘉亜沙美さん(25)に感謝状を贈った。比嘉さんは小学生の頃から大型犬を飼うことに憧れ、飼育方法や生態などを学んでいた。「ワンちゃんが悪者にならず、けが人も出なくてよかった」と喜んだ。(社会部・玉那覇長輝)
比嘉さんは10月24日夕、車で移動中に、うるま市栄野比の市道を徘徊(はいかい)するピットブルを発見した。路地に入るのを確認した後、男性の悲鳴を聞き、車を降りて駆け付けた。
小型犬を散歩させていた男性は、威嚇するピットブルを見て「どっかいけー」と叫び声を上げていた。
人が大声を出すと、犬は威嚇することを知っていた比嘉さん。男性を落ち着かせ、ピットブルをなだめると、すかさず持っていたタオルを首輪に通して捕獲した。
「かんで男性にけがをさせると、ピットブルは殺処分されてしまう。そのことの方が怖かった」と振り返る。
男性にも小型犬にもけがはなかった。
ピットブルは体長約1メートル30センチ。飼い主が一時預けていた市内の工場から逃げ出した。
濵田署長は「勇気ある行動。今後も地域の安全安心のために協力をお願いしたい」と感謝した。
比嘉さんは「大切なペットが悪者にならないように、改めて飼い方などを見直してほしい」と飼い主らに呼びかけていた。