伊原剛志さん「佐賀訪問で心に火」 映画「ら・かんぱねら」主演 毎日ピアノ練習

支援する会の事務所開設で乾杯する伊原剛志さん(中央)。右は鈴木一美監督、左は同会の川崎賢朗局長=佐賀市南佐賀

 52歳から始めたピアノで難曲を弾きこなす佐賀市のノリ漁師をモデルにした映画「ら・かんぱねら」で主演する伊原剛志さん(60)が2日夕、映画を支援する会の事務所開設に駆けつけた。会のメンバーの熱い思いに応えた訪問で、モデルの徳永義昭さん(63)と会い、ノリ収穫現場にも赴いたことを報告。「佐賀に来て心に火が付いた」と、映画にかける思いを語った。

 11月上旬に支援する会のメンバーが「佐賀で待っています」などと呼びかけるビデオレターを送ったところ、伊原さんが感激し訪問が実現。同月29日から佐賀入りしていた。

 伊原さんは佐賀市の事務所で約30人に迎えられた。未経験だったピアノは約2カ月前から毎日欠かさず練習し「(リストの)ラ・カンパネラの3分の1は、なんとなく両手で弾けるようになった」と報告。徳永さんに会った時に請われて披露し「2カ月ではすごい。私のピアノ魂に火が付いた」と言われたことも紹介した。

 映画のテーマについては「ただ漁師がピアノを弾くというのではなく、それを支える佐賀の人々の話だと思う。それを表現したい」と思いをほとばしらせた。鈴木一美監督も「佐賀の名前を全世界に発信していきたい」と抱負を述べた。

 伊原さんは映画の話を受けてからノリの産地が気になるようになったといい「おいしいと思うのは有明海産が多い」と明かした。その上で「ノリがどうやって取れるかは知られていない。映画で伝えていければ」と語った。

 支援する会では制作費1億5千万円などの協賛金を募っている。問い合わせは同会、0952(97)4781。(古賀真理子)

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