津軽線(青森県)蟹田-三厩間 外ケ浜町長、鉄路廃止とバス・タクシー転換に賛成意向

津軽線・蟹田-三厩間の存廃問題に関する外ケ浜町の考えを説明する山崎町長=3日、同町

 昨年8月の大雨被害の影響で運休が続くJR津軽線・蟹田-三厩間(青森県外ケ浜町と今別町、28.8キロ)の存廃問題について、外ケ浜町の山崎結子町長は3日、JR東日本が提案する鉄路廃止とバス、乗り合いタクシーへの転換に賛成する意向を明らかにした。同日開いた町民との意見交換会で参加者の大半から同様の意見が得られたため、新たな交通体系への転換に向け、JR東や今別町などと「具体的な検討を始めたい」との考えを示した。

 蟹田、平舘、三厩地区の町内3カ所で開いた意見交換会に計約50人が参加。JR東はこれまで、バス、タクシーへの転換は▽運行本数の増加や停留所の新設に柔軟に対応できる▽鉄道より運営費が割安-などのメリットがあるとしており、この日は大半の参加者から転換に対する賛成意見が出た。

 外ケ浜町はこれまでも住民の利便性や費用面の観点から鉄路維持にこだわらない意向を示しており、山崎町長は「私と住民の考えが同じであると確認できた」と述べた。町が主催する別の会合でも鉄路復旧を求める意見はなかったという。

 同町は今後、JR東や今別町との担当者会議や、両町長同士の会議でバス、タクシー転換への賛成を表明する方針。ただ、今別町はJRの全額負担による鉄路復旧を基本姿勢としており、意見が一致するかは不透明だ。

 山崎町長は「話し合いの上、妥協点を探る」とし、「ある程度、(担当者間の)議論は尽くされたので、そろそろ結論を出していく時期だと思う」との認識を示した。

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